女性の孤独な感情が描かれる『牝猫たち』/[c]2016 日活

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今年で45周年を迎えた、日本映画史が誇る伝説的レーベル“日活ロマンポルノ”。量産体制された成人映画だけあって、“濡れ場”と言われる濃密な性愛シーンばかりがフィーチャーされるが、日本を代表する5人の監督の手により再起動された「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の作品には、女性が共感できる官能描写も満載!今回は、女性向けに“極私的エロス”シーンをピックアップしてみた。

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その要素が特に顕著に表れているのが、落ち目の映画監督・古谷(板尾創路)が女性たちの間を漂う姿が描かれる行定勲監督の『ジムノペディに乱れる』(公開中)。古谷にお金を貸してほしいと頼まれた女性が、金を工面するために他の男と体を交わすシーンなど、ダメな人間ということを理解していながらも、古谷に惹かれ、尽くしてしまう女心が語られる。

実は行定監督、脚本を2本書いていたようで、「1本目は自分が本当に観たい作品として書きました。そしたら日活からNGが出たんです(笑)。これじゃ女性が観られないと。そこで一旦諦めようと思いましたが、日活ロマンポルノには憧れがあったので再挑戦しました。女性の慈悲深さに救われる男を、女性目線で描きました」と、完成報告記者会見の場で明かしている。

また白石和彌監督の『牝猫たち』(17年1月14日公開)で綴られるのは3人の女性の人間模様。シングルマザーの女性、旦那に内緒で働いているデリヘルに居場所を見出した女性、大学を卒業しOLとして働いていたが、なんとなくデリヘル嬢になった女性、夜の世界で逞しく生きながらも、ふとした瞬間に孤独を感じる彼女たち。そしてその孤独を埋めるように、客である男性に心を許してしまう姿は、現代を生きる女性ならきっと理解できることだろう。

「恐怖すら感じる愛」――そんな言葉がピッタリの中田秀夫監督の『ホワイトリリー』(17年2月11日公開)では、好きな人に対する執念や嫉妬心をじわりじわりと映し出す。愛する人に強要されて、好きでもない男と交わってしまったりと、主人公のはるかの暴走していく愛、もしかしたらあなたも身にも覚えはないだろうか?

男性と女性では、見え方がガラッと変わってくるのもロマンポルノの面白味の1つ。ポルノと聞いて敬遠している女性も、深みのある世界観をぜひ劇場で味わってほしい。【トライワークス】