深谷朋昭さんがツイッターに投稿したイラスト。作者は深谷さんの妻だそうだ(C)深谷薬局 明寿漢方堂

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風邪っぽくて咳が出そうだけど、マスクがない。そんな時、手のひらで口を押えて咳をしていないだろうか。

ある薬剤師が、咳やくしゃみをする時には「手ではなく腕で受けよう」と、オリジナルのイラスト付きでツイッター上で呼びかけ、「なるほど!」とネットユーザーの間で話題になっている。

マスク、ティッシュ、ハンカチの次に腕

ツイートは「深谷薬局 明寿漢方堂」(愛知県刈谷市)の薬剤師・深谷朋昭さんが2016年12月3日に投稿した。それによると、風邪やインフルエンザの時、咳やくしゃみを手のひらで受けると、手のひらが菌やウイルスのついた唾液まみれになり、その後に触った物を伝わって他人に感染が拡大する。これを防ぐため、マスクをしていない場合「とっさの咳クシャミは肘で受ける!」と勧めている。また、「手で受けた場合はすぐに洗いましょう」と感染拡大防止を呼びかけている。

イラストでは、咳・くしゃみを手のひらで受けて菌・ウイルスがついた場合、手すりや電車のつり革、ドアノブ、買い物かご、立ち読みする本やお金を介して感染が広がっていく可能性を、ライトなタッチで描いている。

J-CASTヘルスケアは12月21日、深谷さんに取材し、投稿内容の詳細を聞いた。「日常的にさまざまなものに触れる手で受けるくらいなら、腕の方がリスクは大きく下がります」とこう語った。

「拡大防止に一番良いのはマスクです。咳やくしゃみをしたマスクは、外したら内側を触らずに折り畳んで捨てます。2番目はティッシュで、口と鼻を押さえながらする方法で、使ったらすぐに捨てます。3番目はハンカチですが、一度唾液がついたら洗濯や消毒するまでは、同じハンカチで手を拭いてはいけません。そして、マスクもティッシュもハンカチもない場合には、腕にした方がいいでしょう」

口と鼻を押さえる物がない場合に、緊急的に腕を使おうというわけだ。ティッシュやハンカチを持っていても、咳やくしゃみの瞬間にサッと取り出せない場合もあり得る。

咳を受けた服の袖はどうするの?

厚生労働省もウェブサイトで、インフルエンザの飛沫感染拡大を防ぐ対策として以下の「咳エチケット」の徹底を呼びかけている。

「咳やくしゃみを他の人に向けて発しない」
「とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けない」
「手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗う」

一方、咳・くしゃみを受けた服の袖はどうしたらいいのだろうか。深谷さんはこう説明した。

「洗濯した後にインフルエンザウイルスが残ったというデータは見たことがありませんから、洗濯すればひとまず安全と言えるでしょう」

市販の洗濯洗剤には、行政機関や消費生活センターが商品テストを委託している研究機関の試験を通ったものがある。

しかし、洗濯できない衣服もある。その場合は深谷さんはこうアドバイスした。

「次亜塩素酸ナトリウム液(編集部注:花王の『ハイター』などが除菌液として市販されている)を使う方法がありますが、若干の漂白作用があるので衣類への使用には注意が必要です。そのほか、85度のお湯に1分間浸す熱湯消毒や、クリーニングに出す方法もありますよ」