子供の微表情には未来の姿が映し出されている!?

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 私は学生時代のアルバイトを含めると10年以上、塾や予備校で子どもたちに勉強を教えてきました。勉強の話や日常の話を子どもたちとしていると、明らかに普通の反応を示す子と、特殊な反応を示す子がいることに気付きました。

 例えば、勉強をしているとき、答えが間違っていることを指摘すると、多くの子は、恥ずかしそうにしつつ、もう一度問題にトライする、もしくは先生の私にヒントを求めてくる、という反応をしました。しかし、少数ながら特殊な反応をする子もいました。答えの間違いを指摘すると、ふてくされてしまい、その問題に再度取り組まない、もしくは不安な顔をして考え込んでしまう、そんな反応をする子たちでした。

 こうした子どもたちの性格傾向は何なのでしょうか?また将来、どんな大人に成長する可能性があるのでしょうか?

 表情分析の世界から子どもの性格傾向や将来の行動傾向を推測する研究をご紹介したいと思います。

◆反社会的気質のある子供は、間違いを指摘されると怒りを表す

 問題の出題者と生徒(1:1)が対面に座ります。出題者が問題を出題し、生徒が問題に回答します。生徒が回答を終えると、出題者は生徒の目の前で正解もしくは不正解を伝えます。不正解の回答をしたときの生徒の表情が記録され、分析されます。

 この実験では、実験に参加した個々の生徒たちを普段から知っている先生たちにも協力してもらい、生徒たちの性格傾向を回答してもらいました。

 生徒たちの性格傾向は、「精神上偏りのない普通の性格傾向」「注意欠陥・多動傾向・攻撃的・反社会的傾向」「過度の不安や恐怖・心身症状・抑うつ傾向」の3つに大きく分けることが出来ました。

 生徒たちの表情分析の結果と性格傾向とを照らし合わせると次のことがわかりました。

・「精神上偏りのない普通の性格傾向」の生徒は、問題に間違えたことを伝えられると恥ずかしそうな表情をする傾向にある。
・「注意欠陥・多動傾向・攻撃的・反社会的傾向」の生徒は、問題に間違えたことを伝えられると怒り表情をする傾向にある。
・「過度の不安や恐怖・心身症状・抑うつ傾向」の生徒は、問題に間違えたことを伝えられると恐怖表情をする傾向にある。

◆怒りと恐怖の表情を浮かべた子供には注意が必要

 恥ずかしいという感情は「次からは間違えをしないように注意しよう」という行動に向かいやすいため、特段問題はありません。もし同様の問題を解くときにも生徒が苦労していたら、アシストしてあげるとよいでしょう。

 しかし、怒り表情と恐怖表情には注意が必要です。

 例えば、怒りという感情は「目的を阻む障害を破壊しよう」という行動に向かいます。怒り感情の矛先が、出題者による間違えの指摘である場合、子どもはその指摘を障害と思っているのです。この傾向が正されない限り、間違えを正すチャンスを失ってしまうでしょう。「間違ってもイライラする必要はないんだよ。」「間違いを一つ一つ正すことで、正解というゴールに近づけるんだよ。」と言ったような言葉のかけ方が必要となってくると思われます。

 恐怖という感情は「安全な場所へ逃げたい」という行動に向かいます。恐怖感情の原因が間違えをしたことにある場合、間違うことは怖いことではない、と子どもの意識が変わらない限り、間違うことを恐れてしまい、同様の問題や難しい問題に挑戦することを回避するようになってしまう可能性が考えられます。

◆子供の本音を微表情から観察しよう

 何が適切な指導法なのかということに関しては、非常に繊細な議論となってくるのですが、少なくとも子どもの感情の流れに沿った言葉のかけ方、指導の仕方が大切であると、私の専門知識からも、自身の経験からも言うことが出来ます。