女性が男の都合の悪いことを、いつまでも覚えているのはなぜか

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男女関係で揉め事が起こるありがちなパターンに、「男の都合の悪いことを、女性がいつまでも覚えている」ことがあります。これは恋愛や家庭に限った話ではありません。職場でも、女性の上司や部下、同僚に過去の失態を突然指摘されたりして、「女性の記憶力は怖い」と感じることは、男性ならよくあります。

■「女性の勘」の正体とは

これは女性に対する偏見という面もないとは言えません。しかし、実際に、脳科学の研究からも女性は男性よりも記憶力が優れていると明らかになっているのです。女性ホルモンであるエストロゲンが、記憶力を良くする作用をすると脳科学的にわかっています。そのエストロゲンが作用した結果、女性の脳には記憶の断片がたくさんしまい込まれます。何かのタイミングでその記憶が出てきて、その場そのときの判断材料として使われるのです。こうした女性特有の脳の仕組みが、男性の言動をすばやく見抜く、いわゆる「女性の勘」に繋がっているというわけです。

さらに記憶のメカニズムとして、ある出来事に感情が結びつくと、瞬時に記憶は固定化されると考えられています。つまり、嬉しい、悲しい、怖い、という感情が記憶を消えないものにしてしまうのです。

そもそも女性は、脳の中でも感情を司る扁桃体が男性よりも強く働きます。女性のほうが感情的になりやすいとよく言われているのはそのためです。女性のほうが、感情と記憶が密接に繋がり、些細なことまで覚えているというわけです。一方で、男性は自分の興味のある内容ならば記憶するのですが、感情との繋がりは弱い。仕事や出来事が終わって興味を失ってしまったら、細かい内容は忘れてしまいます。

このような性差があるために、男性に都合の悪いことがあって揉め事が起こった後に、男女の記憶にギャップが起こるのです。女性はしっかり話し合って「男の悪い点を指摘できた」と感情的に納得します。しかし、男性は「無駄な時間を過ごした」と思うだけです。

■ひな祭りを忘れてはならない

では、どうすればいいのか。恋人や夫婦であれば、小さな記念日を覚えておくだけで、相手の機嫌を損ねずに済むことがありますね。仕事もそれと同じです。誕生日はもちろん、季節ごとのイベント、クリスマスやバレンタインデーに限らずひな祭りを意識し、ちょっとした会話で話題にできるようにしましょう。

また、女性は自分の感情を納得させるためにも「理屈」、物事の筋道を重視すると脳科学的にわかっています。一度「あいつはダメな同僚だ」と思われると、女性の中で一緒に仕事をしたくないという「理屈」が成り立ってしまいます。記憶力がいい女性の信頼を取り戻すことは難しいものです。

女性の上司や部下には、企画の説明で選択肢を提示してみたり、話の展開にストーリー性や意外性を入れ込んで筋道だって見せることで「この人はデキる」といい感情を記憶させることができます。男は目的を果たすために「閃き」や「偶然」を重視しがちですが、女性はより現実的だと覚えておいてください。

(医学博士、作家 米山公啓 構成=伊藤達也)