(写真提供=SPORTS KOREA)

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クリスマスを迎えても、韓国国民たちが抱く朴槿恵大統領と“崔順実(チェ・スンシル)ゲート”への怒りは収まらない。

12月24日にも韓国の首都ソウルの中心部である光化門(クァンファムン)広場では大規模なデモが行なわれた。

これで9回目の“ろうそく集会”だ。今回はクリスマス・イブということもあって、参加した子供たちにプレゼントを配ったり、朴槿恵大統領の即時退陣を求める“下野クリスマス・コンサート”なども行われるなど、フェスティバル色も強くいつも通り安全で平和な大規模デモだったが、その一方で一部では過激さを増しているところもあるという。

先日も、韓国のテレビ局にトラックが突入する事件が起こった。トラックに突っ込まれたテレビ局は、ソウル市麻浦区上岩洞にある総合編成チャンネル「JTBC」。同局の社屋1階ロビーに、海兵隊服を着た男が運転するトラックが突っ込んだという。

トラックを運転していた40代の男はすでに逮捕されており、社屋の入り口のガラスが破損したものの、人命被害はなかった。

日本では馴染みが薄いかもしれないが、JTBCは今最も韓国で注目を集めているメディアだ。

韓国で過去最大級のスキャンダルとなった「崔順実ゲート」を世に広く知らしめたのも、JTBCの役割が大きかったという。「メディア公共性フォーラム」は12月19日、JTBCの「崔順実ゲート」特別取材チームを言論賞に選定している。そのスクープ力はまさに“韓国の週刊文春”と呼んでも遜色はないだろう。

(参考記事:そのスクープ力は文春砲クラス!! 崔順実ゲートをすっぱ抜いた『JTBC』とは

複数の韓国メディアによると、男は「(JTBCの)ソン・ソクヒ社長を大統領に推薦する」などと皮肉を書いた横断幕を掲げていたという。「崔順実ゲート」の存在を決定付けたJTBCの「崔順実PCファイル入手…大統領演説前に演説文を受け取った」という報道に、不満を持っていたらしい。男の動機や真意は詳しい情報を待つばかりだが、一連の政治スキャンダルが関係していることは間違いない。

そんな韓国では、すでに次期大統領候補に注目が集まっている。

前回の大統領選挙で朴槿恵大統領に僅差で敗れた文在寅(ムン・ジェイン)氏や、国連事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏、“韓国のトランプ”と呼ばれる李在明(イ・ジェミョン)氏などの名前が挙がっており、すでに“支持率”まで調査されているのだから興味深い。

ただ、若干気が早いという指摘も。

現在、朴槿恵大統領は弾劾訴追案が可決したことで職務が停止されているが、罷免が妥当かどうかを判断するのは、あくまで憲法裁判所だからだ。

韓国の憲法第113条1項によると、国会で弾劾訴追案が可決したとしても、憲法裁判所で裁判官9人中6人以上の賛成があって初めて大統領を弾劾できる。公正が前提となる裁判だけに、元憲法裁判官は韓国メディアに「時間がかかる」と話している。

当然その事実を韓国国民も知っているだけに、デモは現在も進行中なわけだ。現在は「即刻辞任せよ」という主張だ。

日本での報道は下火となってきたが、前代未聞の政治スキャンダルの余波によって、韓国では今現在もさまざまな事件やトラブルを巻き起こっている。一日も早くすべての決着がついてほしいと思うが、はたして。

(文=慎 武宏)