今月に入って北京など中国北部を中心に発生している深刻な大気汚染は、急速な発展と引き換えに出現した環境汚染の凄まじさを改めて痛感させる出来事となった。大きなダメージを受けた環境を改善しながら安定した経済成長を実現できなければ、中国にかかった「もや」が晴れることはない。中国メディア・澎湃新聞は20日、「われわれは製品を国外に輸出し、汚染を国内に残している」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 今月に入って北京など中国北部を中心に発生している深刻な大気汚染は、急速な発展と引き換えに出現した環境汚染の凄まじさを改めて痛感させる出来事となった。大きなダメージを受けた環境を改善しながら安定した経済成長を実現できなければ、中国にかかった「もや」が晴れることはない。中国メディア・澎湃新聞は20日、「われわれは製品を国外に輸出し、汚染を国内に残している」とする記事を掲載した。

 記事は、ある国や地域における経済・貿易の構造は、空気の質と関係があるとし「空気の質が悪い段階において、輸出するのは工業製品であり、輸入するのは原材料だ。空気の質が良い段階になると状況は大きく変化する。工業製品を輸入して、サービス産業を輸出するようになるのだ」と説明。そして、貿易は物理的、経済的な指標に限らず、環境の指標を用いて衡量することができるのであると論じた。

 そのうえで、近年における中国の貿易は、経済的には大きな黒字となっているものの、環境という視点に立てば「ひどい赤字であり、貿易によって引き起こされる汚染はますます多くなっているのである」と指摘。「言い換えれば、われわれは製品を国外に輸出して、汚染を国内に残しているのだ」としている。

 そして、中国は現在その発展政策と貿易政策について反省しなければならないと主張。発展政策についてはすでに多くの反省が行われてきたものの「貿易に対する反省は不十分であり、環境政策となるとさらに反省が必要だ」と訴えた。

 記事は、クリーン経済は「クリーン生産、クリーン貿易、クリーン消費、クリーン投資」とう複数の重要セクションが組み合わさって成り立つものであると説明。クリーン貿易とは「貿易体系に環境面の考慮を加えること」であり、その推進には製品、企業、業界そしてマクロ政策全てが関わっているとした。そして、クリーン貿易の目標を実現するには「単に貿易黒字だけでなく、環境面においても『黒字』となる」ことが必要であると論じている。

 中国の急成長を支えた貿易における、環境面での「赤字」は一朝一夕でどうにかなるレベルのものではない。これをトータルで「黒字化」するためには並々ならぬ努力が必要であり、記事が指摘する通り、サービス産業の大々的な発展が不可欠だ。金儲け一辺倒ではなく、人びとがより良く生きられるようにすることをテーマに掲げた経済活動が求められるのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)