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By Linh Nguyen

「学びたい」という欲求から挑戦を喜んで受け止め、逆境にぶち当たっても問題解決のために努力するような思考様式「グロース・マインドセット」を提唱したのがキャロル・ドゥエック博士で、ドゥエック博士が著したグロース・マインドセットに関する書籍「マインドセット『やればできる! 』の研究」は欧米でベストセラーとなり、教育現場で取り入れられ始めています。そのドゥエック博士がThe Atlanticのインタビューで、人々が陥りやすいグロース・マインドセットの落とし穴について明らかにしています。

Carol Dweck Explains the False Growth Mindset - The Atlantic

https://www.theatlantic.com/education/archive/2016/12/how-praise-became-a-consolation-prize/510845/

ドゥエック博士は、20年の研究から人々の思考様式は主に2つのパターンに分かれることを導き出し、それを「フィックスト・マインドセット」「グロース・マインドセット」と名付けました。ドゥエック博士の書籍では「フィックスト・マインドセット」が「硬直マインドセット」、「グロース・マインドセット」が「しなやかマインドセット」と訳されています。

マインドセット「やればできる! 」の研究 | キャロル・S・ドゥエック, 今西康子 |本 | 通販 | Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/4794221789



ドゥエック博士が提唱する「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」がどういう思考様式なのかは以下の記事で確認できます。なお、記事作成時点では「マインドセット『やればできる! 』の研究」が日本で発売されておらず、「フィックスト・マインドセット」を「固定された思考態度」、「グロース・マインドセット」を「成長する思考態度」と記事で訳しています。

「成長する考え方」と「成長できない考え方」の違いが20年の研究で明らかに - GIGAZINE



2つの思考様式を簡単に説明すると、「硬直マインドセット」は「自分の能力はもともと決められており変わることはない」という考え方で、「しなやかマインドセット」は「自分の能力は努力で成長させることができる」という考え方。ドゥエック博士によると、「しなやかマインドセット」を持っている人の方が、失敗を恐れずに問題に取り組み楽しんで学習するため、能力の成長が促進されやすい傾向があるとのことです。

書籍のヒットも相まって「しなやかマインドセット」の重要性が多くの人に伝わった一方で、「しなやかマインドセットの理念をきちんと理解できていない人がいる」とドゥエック博士はインタビューで明かしています。ドゥエック博士によれば、多くの人は「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」の両方を備えていて、例え「しなやかマインドセット」にステータスが振り切っている人でも何らかの原因で「硬直マインドセット」に陥ることがあるそうです。「硬直マインドセット」に陥る原因は、例えば、自信があると思っていた分野において自分よりも優れた才能を発揮しそうな人に出会ったときなど、さまざまなことが考えられます。

ドゥエック博士は「硬直マインドセット」に陥ることはしょうがないとした上で、何が原因で「硬直マインドセット」が発動するかを理解する必要があると主張。また、「しなやかマインドセット」が何であるかをしっかりと理解し効果的な方法で実行する必要があるとも話しています。

ドゥエック博士はインタビューで教師と生徒を引き合いに出し「何人かの教師は、しなやかマインドセットの本質を理解せずに自分がしなやかマインドセットを持っていると過信し、それを生徒に伝えようとする。これは大変危険なことです」と話しました。また、「しなやかマインドセットを実戦する教師の中には、生徒が間違った方法で努力をしていても『ものすごくがんばったね!』と褒める人がいる。しなやかマインドセットは『褒める』ことを重要としていますが、褒めるのは『努力』ではなく『学習プロセス』についてです。生徒の努力にフォーカスするときは、その努力がどのようにして結果を導き出したのかをきちんと生徒に説明する必要がある」と述べています。



By Mysha Islam

しなやかマインドセットの「褒める」というパートで大事なのは、結果を導き出すのにどのようにして問題に取り組み、どのような解決策を考え出したのかということであり、結果の出なかった努力を褒めちぎるのは間違いということ。ドゥエック博士は「教師であれば、生徒が問題解決のための戦略を練るのを手助けし、その戦略がどのように成功を導いたのかを説明するべきです」と話しています。