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映画を見ていると「そこは逃げるべき!」や「ひとりで歩き回るな!」など、登場人物に対して「こう行動したらいいのに!」と思うことがあります。そんな視聴者側の意見をくみ取りストーリーに反映する世界初の視聴者参加型映画が「Late Shift」です。

Late Shift, the world’s first interactive cinema movie, reviewed | Ars Technica UK

http://arstechnica.co.uk/gaming/2016/12/late-shift-interactive-movie-review/

映画「Late Shift」はスマートフォンのアプリを使い、観客が主人公の行動を決めることができるというもの。ストーリーの中で観客が決められる選択肢は180個存在し、その重要度は大小さまざまで、どのような選択肢を選んだかで最終的に7つ異なるエンディングを迎えることとなります。イギリスのVueにより2017年3月に公開される予定です。

「Late Shift」の公式予告編は以下から見られます。

LATE SHIFT ? Official Trailer ? YOUR DECISIONS ARE YOU - YouTube

舞台はロンドン



主人公は男子学生のマット。



物語はある夜、マットがバイトをしているところから始まります。



マットの元にやってきた見知らぬ女性。





彼女からカギのようなものを受け取るマット。



女性が立ち去ったあと、物音がしたので周囲を見回っていると……



先ほどの女性が拳銃を持った男性に脅されている、というところからストーリーは急転していきます。





拳銃を持った男性に従うのか?



それともマットは女性を置いて逃げるのか?



その後、ロンドンで有名なオークションハウスへの強盗を強要されるマット。観客はもちろんマットが強盗に参加するか参加しないかを選ぶことが可能。



選択肢はさまざまで、リスクをとるのか?



それとも安全に行動を進めていくのか?



続々登場する登場人物たちを信じるのか?



それとも疑うのか?



愛か?



恐怖か?



といったさまざまな選択肢を観客全員で選択していくのが「Late Shift」です。



映画「Late Shift」の上映時間は約90分ですが、各選択肢をすべて合計するとその時間は約4時間にもなるそうです。海外ニュースメディアのArs Technicaで働くライターのセバスティアン・アンソニー氏がLate Shiftを見た時は、観客の選択は迅速に決まっていき、エンディングは残酷な結末を迎えたそうです。

ムービーを見る際は最初にAndroidもしくはiOSの専用アプリをインストールし、特別なWi-Fiネットワークに端末をつなぐ必要があります。いったん映画が始まると、選択肢を選ぶタイミングにスクリーン上に選択肢が映ります。



選択肢の数は2つもしくは3つで、登場頻度は毎分もしくは数分ごとで、かなり頻繁に表示されることが明かされています。選択肢を選ぶ時間は約3秒ほどで、スマートフォンの画面上に表示されるボタンをタップするだけでOKです。



App Store上では既にアプリが公開されています。

Late Shift on the App Store



特別なWi-Fiネットワークにつながれたスマートフォンから収集されたデータはコンピューター上のソフトウェアで集計され、映画のエピソードを分岐していくこととなります。なお、アンソニー氏は映画上映中は「常にスマートフォンを手の中で開いておかなければならなかった」と語っています。ただし、アプリ画面はほとんど黒色なので画面がまぶしすぎるということはほとんどないそうです。そして、バッテリー消費はそれほどでもないようで、省電力モードのiPhone 6で上映時間の約90分で約5%バッテリーが消費されたとコメントしています。