プロデューサーとしても活躍するコリン・ファース
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 映画『キングスマン』『英国王のスピーチ』などのオスカー俳優、コリン・ファースとともに、映画製作会社「レインドッグ・フィルムズ」を立ち上げたイギリスの映画プロデューサー、ジェド・ドハティが、記念すべき1作目『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』の日本公開に合わせ、11月に来日。コリンとの共同プロデュースから、ドローンを用いて行われる現代の戦争を題材に選んだことなどを語った。

 本作では、潜伏するテロリストを無人偵察機ドローンでピンポイント爆撃する現代の見えない戦争がリアルに描かれている。プロデュース1作目にして、アメリカの映画批評サイト Rotten Tomatoes では95%を獲得(12月22日時点)するなど、その手腕を発揮しているドハティ。実はこれまで、コロンビア・レコードUK社長やソニー・ミュージックUKの会長兼CEOを歴任し、マイケル・ジャクソン、ビヨンセ、フー・ファイターズなどのプロモーションを手がけてきた異色の経歴の持ち主なのだ。54歳で音楽業界から映画業界にキャリアチェンジし、2012年にコリンと製作会社「レインドッグ・フィルムズ」を設立。社名はコリンが大好きなシンガー、トム・ウェイツの曲名から取ったという。「音楽も映画も、ストーリーを描くことでは同じ。私はずっと映画が好きで、音楽業界にいた頃も、一番好きなのは映画音楽を作ることでした」と長年の映画への思いを明かす。

 さらに「コリンと会社を作ったときには、社会に影響を及ぼすような作品を作っていこうと、彼と方向性を決めました」と続けるドハティ。「コリンも私も、難民や人権問題に興味があり、特にコリンは、お父さんがアメリカ政治や歴史を教えていたこともあって、言論の自由や政治運動に関心があるんです。2012年に脚本のガイ・ヒバートから本作の内容を聞き、とても気に入って、すぐコリンに連絡すると、コリンもすでにガイの脚本を読んでいて。2人とも気に入ったので映画化することにしました。当時は新聞やネットでも、ドローンが話題になることはなく、知らないことが多くて驚かされましたね」と当時を振り返る。「現代の戦争のあり様、その複雑さ、どれだけ多くの人が攻撃の決定に関わり、どんな理由で実行されるのか、その犠牲者は誰なのかなど、様々な視点が含まれていることに惹かれました」と本作の魅力を指摘。

 また、コリンとの共同プロデュース長編第2作目となる映画『ラビング 愛という名前のふたり』(2017年3月日本公開)は、なんと第89回アカデミー賞候補の呼び声が高く、話題沸騰中だ。『MUD マッド』『テイク・シェルター』のジェフ・ニコルズが脚本・監督を担当し、アメリカ・バージニア州で当時違法とされていた異人種間結婚をしたラヴィング夫妻の姿を描いたラブストーリーだ。本作に引き続き、またしても興味深いテーマをピックアップしたドハティは、「(次回作のテーマは、)今起きている同性婚の問題と共通する部分がある。テーマが時代に合っていると思いました」と熱弁していた。「レインドッグ・フィルムズ」の今後のラインナップ、刺激的な内容にも注目していきたい。(取材/岸田智)

映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』は全国公開中