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日本では法律の条件に当てはまる人はもれなく育児休業給付金などによって実質的に有給で育児休業(育休)・産前産後休業(産休)を取ることが認められています。しかし、意外なことにアメリカでは育児休業のような制度はなく、子どもが生まれた父親・母親は仕事を休めば即無給状態というリスクにさらされています。

Paid parental leave at American Express rises to 20 weeks - Dec. 12, 2016

http://money.cnn.com/2016/12/12/pf/paid-parental-leave-american-express/index.html

アメリカにおける育児休業の状況について、CNNがまとめています。



アメリカには給料が支払われる状態で育休を認める公的な制度はありません。世界を見渡しても育児休業制度のない国は珍しく、パプアニューギニアと同じ。



意外なことに、アメリカは先進国では唯一、育児休業が認められない国です。



世界的には出産をする母親には給付を伴う産休を、育児を手伝う父親には育休が認められるのが一般的。



最も長いノルウェーでは87週間、日本では58週間の産休が認められています。



39週間のイギリス、12週間のメキシコに対して、アメリカはゼロ。



給付を伴う父親の育児休業については日本は52週も認められるのに対して……



またしてもアメリカはゼロ。



そんな育休後進国のアメリカですが、1993年に「Family and Medical Leave Act」という法律が制定されたことで、出産前後に12週間の休暇を取得する権利が母親に認められました。しかし、この法律の適用を受けるのは従業員数50人以上の会社のみで、すべての母親に産休が認められるわけではありません。



このような育児をする母親・父親に対して厳しいアメリカ社会で、近年、IT企業を中心に手厚い育児休業を社内制度化する例が現れ始めています。Googleは数年前から母親には5カ月、父親には7週間、Facebookも母親・父親ともに4カ月の有給による育児休業を社内制度として認めていました。そして、2015年8月にNetflixは子どもが生まれた母親に対して、自由な社内復帰か1年間は給料を得ながら家庭にとどまるかを選ぶ権利を与えるなど、企業が独自に育児する社員に手厚い補償を与えています。

そんな中で、アメリカン・エキスプレスが2017年1月から、1年以上勤務するフルタイムおよびパートタイムの従業員に対して、20週間にわたって100%の賃金を保障しつつ育児休業を認めるように社内規則を変更すると発表しました。さらに、新制度では育児をする社員には24時間態勢で受け入れてくれる授乳コンサルタントを用意し、母親が出張する場合は自宅に授乳に来てくれるサービスをスタートさせるとのこと。

大手企業を中心に、育児休業に関する法的不備を補う動きが進む中で、2017年1月に発足するトランプ政権では「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」を採ると言ってはばからないドナルド・トランプ次期大統領が、先進国では最低水準のアメリカの育児休業制度にどう向き合うのか、注目されそうです。