日本では2012年の9月時点で、すでに100歳以上になったお年寄りが5万人を超え、今年9月に発表された厚労省の調べでは、初めて6万人を超えた。政府が'63年に統計を取り始めた当時は、わずか156人。それが、現在のように長寿世界一を更新し続けるまでに至ったわけだが、今後もこの状態を維持したいものだ。
 「先進国の代表であるアメリカの平均寿命を見ても、5年前のデータで男性が75.2歳、女性が80.4歳で、日本と比べ、その差は歴然としている。一度でもアメリカを旅行した人なら分かると思いますが、レストランで出される食事量はケタ外れに多い。ステーキは大きく、ハンバーガーやピザも山盛り、ファーストフードの飲み物も甘いものばかりです。“質より量”を求めると言っても、あれでは平均寿命は延びません」(医療ライター)

 都内で総合医療クリニックを営む医学博士・遠藤茂樹氏は「日本の食文化」の重要性を次のように語る。
 「もともと米国は日本とは食文化が違いますからね。いずれにしても、過食はカロリー過多になりがちで、動脈硬化や糖尿病などの成人病の原因となる。がんにもなりやすくなり、死亡率が上がっても不思議ではありません。その点で言えば、日本食は塩分などを調整しながら摂れば大いに健康的と言えますが、心配なのは、今の若い人たちが外食中心の生活になっていることです。彼らが年老いたとき、今のような健康長寿を果たして保てるのか、心配になりますね」

 最近は日本食が世界で注目されている。日本料理店や寿司店が人気で、各国で出店数がうなぎ登り。この傾向は、ヨーロッパや中国でも広がりを見せているという。しかし一方で、この半世紀ほどで農作物、食肉、加工食品など、外食すれば化学合成物質を多く使った“美味しいもの”が溢れ返るようになった。とくに子供たちの間では、以前にはほとんどなかった喘息やアレルギー、アトピーなどの病気が増え続けている。これらの病気の原因は特定できないが、大気汚染、水質汚染、電磁波汚染などの環境変化、そして、食生活の悪化に起因していることは間違いない。
 「本来、食べ物は食べた人の身体をいつくしみ、養うものであり、老化や病気を遠ざけてくれる妙薬的なもの。これと同義語で“医食同源”と言うことが出来る。大事にして欲しいものです」(前出・准教授)

 あくまでも身体にとって美味しいもの、必要なものは大いに取り込み、日本人の平均寿命の長さを維持したいものだ。