【今さら聞けない】スーパーチャージャーって何?

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自動車で一般的にいわれるのは「機械式スーパーチャージャー」のこと

エンジンの吸気に圧力をかけ、吸入する空気量を増大させる装置のことです。もともと飛行機が空気の薄い高高度を飛行するために開発されました。軍事技術、航空機技術からの転用ということです。エンジンは吸い込んだ空気の量だけしか、仕事をすることができません。燃料はドンドン入っていきますが、パワーになるのは空気と混じって燃焼することができる量だけなのです。高度が高くなると空気の密度が低くなり、結果として実際の排気量が小さくなってしまうわけです。

そこでスーパーチャージャーを使って圧力をかけることによって、本来の排気量を取り戻そう、ということなんですね。そしてさらに圧力を高くしていくと、パワーアップするので、それが活用されました。飛行機は高度が高くなると空気抵抗が小さくなるので、速度が上昇します。もっというと、高度上昇のタイムは戦闘機の大きな性能指標のひとつで、ドッグファイトに勝つためには素早く上昇したり、急降下したりすることが重要だったのです。

自動車用のスーパーチャージャーといえば、エンジンの力を使って稼働する機械式スーパーチャージャーのことを指すのが一般的です。しかし排気ガスの力で稼働するターボチャージャーも、スーパーチャージャーの一種です。ターボチャージャーは排気ガスのエネルギーを使うのでパワーロスがゼロというメリットがありますが、その代わりにターボラグが発生してしまいます。

機械式スーパーチャージャーはパワーロスがあるものの、つねに回転しているのですぐに作動することができます。

機械式スーパーチャージャーには、いくつもの種類があります。もっとも一般的なのはルーツブロアという8字型のローターを2つ組み合わせたものです。ブロア=送風機という名前からわかるように、ターボと同じように圧縮せずに圧力を加える装置です。

もっとも採用例が多く、フォルクスワーゲンのTSIツインチャージャーにも使われました。ちなみに高回転でパワーロスが大きくなってしまうので、3500rpm以上ではクラッチを切ってフリーになるように制御されていました。

比較的新しいのはターボチャージャーのコンプレッサー側を使い、エンジンの力で回す遠心式スーパーチャージャーです。小型軽量、しかも高回転でもパワーロスが少ないのが特徴です。ターボチャージャーほど回転数を上げることは難しいのですが、リニアなトルク特性とレスポンスの良さが特徴になっています。今後注目されるスーパーチャージャーといえるでしょう。

(文:岡村神弥)