仰天エピソードを語った健太郎
 - 写真:高野広美

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 1987年のとある田舎町で鬱屈(うっくつ)した日々を送る中学生を描く映画『14の夜』で、主人公のタカシの先輩にあたるヤンキーの金田を演じた健太郎が、「全裸プールシーン」での仰天エピソードを語った。

 本作は、脚本を手掛けた『百円の恋』が邦画界を席巻した足立紳の監督デビュー作で、14歳を主人公にすえたお気楽な童貞喪失モノかと思いきや、恐るべき奥行きを備えた人間ドラマに着地するビターな青春映画。退屈な田舎町で情けない父親に絶望しながら同じような境遇の仲間とつるみ、いつか女のおっぱいを揉みしだくことを夢に見る少年たちの少しだけ大人になる一夜を描く。

 この映画で健太郎が演じた金田は、派手な柄シャツにリーゼントという「かなりわかりやすいヤンキー」で、タカシら中坊を見つけると元気にカツアゲするやんちゃ男。ところが映画のクライマックスで共に本物の暴走族に絡まれて大立ち回りをし、二人の間に奇妙な絆が生まれ、誰もいない夜の学校のプールへ忍び込む。これは健太郎自身が一番好きなシーンで「金田が青春しているのを実感できたんですよね。タカシと一緒に危機をくぐり抜けて信頼関係のようなものが生まれ、つながりを確認できた。でも僕が思うに金田ってシャイなので。素直な言葉を口にしたあとふと我に返り、とりあえず泳ぐか! と言っちゃったのかも」とその心情を分析する。

 もちろん水着を持たない金田はズバッと服を脱いで全裸でプールに勢いよくダイブするのだが「なにものにも縛られない開放感……とっても楽しかったです!」と笑う。でも全裸で泳いだのは初めてではないようで「それこそ14歳くらいのころに仲間と川へ行ったときにも……水着がないけどどうする? とか言いながらやりました(笑)。男子だったらきっと経験ありますよ。ちょっと暗くなってからの方がいいと思いますけど」とトボけてみせる。

 実は劇中の全裸プールシーンには続きがあり「監督に言われて思いっきり飛び込んだんです。体育座りの姿勢でポーンと飛んでお尻から水に入ったのですが、思いのほかプールが浅くて。そのまま水の底でお尻を打ちました。痛かったです(笑)。注意深く観ていただくと、僕が水から顔を出すまでの時間が早いのがわかります」と笑わせる。それでも「痛っ!」などとは言わず、根性で芝居を続けた彼の役者魂に注目を。(取材・文:浅見祥子)

映画『14の夜』は12月24日よりテアトル新宿ほか全国公開