処女作が映画化されたマーゴット・リー・シェタリー

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 NASAで活躍した実在の黒人女性たちを描いた話題作『ヒドゥン・フィギュアズ(原題) / Hidden Figures』について、作家マーゴット・リー・シェタリー、NASAの歴史家ビル・バリー、NASA宇宙飛行士ステファニー・ウィルソン、そしてNASA宇宙開発エンジニアのシェリア・ナッシュ=スティーヴンソンが、12月9日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。

 ジム・クロウ法(黒人の一般公共施設の利用を禁止制限した法律)が存在した1960年代を舞台に、地球周回軌道の飛行を達成した初のアメリカ人宇宙飛行士、ジョン・グレンの功績を支えたNASAで働く3人の黒人女性キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー(ジャネル・モナエ)を描いた作品。マーゴット・リー・シェタリーの同名著書を、映画『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ監督が映画化した。

 今作が処女作のマーゴットは「異例だけれど、実はわたしがこの原作を仕上げる際に、すでに今作は始動していたの。あくまで出版本(原作の映画化権が取得されていない)の提案を、わたしは引き受けたわけ。その後、監督、脚本家、製作者たちのコンサルタントとして参加した。彼らはわたしから本のリサーチ情報を得て、それからNASAの歴史家たちとキャラクターとストーリーの構成をしていった」と語る通り、原作よりもマーゴットのリサーチ資料が、脚本に多く反映されたようだ。

 宇宙飛行士のステファニーは、タラジ演じるキャサリンについて「宇宙飛行士のジョン・グレンが地球周回軌道の飛行をする前に、軌道計算の証明をキャサリンに頼んだのは知っていた。ただオクタヴィア演じるドロシーが属する『ザ・ウェスト・エリア・コンピューターズ』(アフリカ系アメリカ人女性だけで構成されたグループ)のことは知らなかった」と答えた。一方NASA宇宙開発エンジニアのシェリアは「彼女ら黒人女性が、われわれのような女性が働ける道を切り開いてくれた。彼女たちのおかげでアラバマ州のハンツビルにあるマーシャル宇宙飛行センターでは、副長官や高い地位に女性が多いわ」と明かした。

 今日キャサリンはどのように評価されているのか、NASAの歴史家ビルが答えた。「彼女の伝説は、マーゴットの著書によってこの2、3年で人々に知られ、昨年彼女は大統領自由勲章(アメリカの国益や世界平和に貢献した人物を賛える勲章)を受け、そして来年オープンするNASAのコンピューター施設に、彼女の名がつけられた」。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)