写真はイメージです(photo by auntmasako via pixabay CC0 PublicDomain)

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 いまや、2人以上の世帯で98.8%、単身世帯で95.2%という高い普及率を誇る洗濯機。(参照:総務省統計局調査「平成26年全国消費実態調査 主要耐久消費財に関する結果」)

 しかし、それほど高い普及率にも関わらず、厚生労働省の調査では、国内のコインランドリー店舗数は毎年5%前後の伸び率で順調に増えている。1996年度のコインランドリー店舗数は1万228軒だったのが、2013年度では1万6693軒と6000軒近く増加している。(参照:「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査(施設数)」)

 そして、何よりもコインランドリー事業は、儲かるビジネスだとしてビジネス的にも注目を集めている。初期投資が安く済む点や利益率が50%近いという点、さらに基本的に無人でOKという運営に手間がいらない点などがその理由である。(参照「HBOL」)

 そんな中、AIにIoT、さらにはビッグデータという流行りのタームを謳うコインランドリーが登場している。

 2016年11月22日に、東証マザーズと福証Qボードに同時上場し、注目を集めたコインランドリーチェーン「WASHハウス」である。

「WASHハウス」は、2001年11月設立、宮崎県宮崎市に本社があるコインランドリー事業会社である。コインランドリー「WASHハウス」のチェーン本部としてFCシステムをFCオーナーに提供する「FC事業」、提供したFC店舗の運営・管理を行う「店舗管理事業」、直営店舗の運営等を行う「直営事業その他」の各事業を展開している。

 同社のFC店舗は2016年8月末現在、全国で338店舗。“店舗の「安心・安全・清潔」を維持するために、24時間365日受付のコールセンター、Webカメラと遠隔コントロールによる即時サポート、毎日の点検・清掃、洗剤の補充、メンテナンス巡回、集金、広告活動等のサービスを提供し、これらに係る対価を受領しております。”という。(参照:「有価証券報告書(新規公開時)」)

 この「Webカメラと遠隔コントロールによる即時サポート」が、同社の謳うIoT的な部分であろう。このシステムは、「WASHハウス」が、旧三洋電機株式会社の洗濯機・冷蔵庫部門をハイアールが買収してできた「アクア」との協力関係の元に専用に開発されたものだという。また、「WASHハウス」のコインランドリーの洗濯機、乾燥機などはアクア社製である。

 このシステムを活用し、本社からコインランドリー各店舗にある4台のWebカメラで状況確認しながら遠隔操作で店舗の機械1台1台操作を行える遠隔操作するのである。これにより、無人店舗ではあるものの、お客様と直接会話をしながら応対でき、店舗に店員がいるかのごとくお客様に対応する仕組みを構築し、他のコインランドリーとの差別化を図っているというわけだ。

◆「WASHハウス」のビジネスモデル特許

「WASHハウス」は、このWebカメラで状況確認しながら遠隔操作で店舗の機械1台1台操作を行える遠隔操作システムで、2004年2月に宮崎県初のビジネスモデル特許(特許第3520449号)も取得している。2009年には、中国と韓国でもコインランドリー遠隔管理システムで、特許取得している。

 さらに、2008年8月、店内タッチパネル装置でコインランドリー機器のトラブルを、客側が復旧できるコインランドリー管理システムについてもビジネスモデル特許(特許第4172043号)を取得。2010年1月にも、店内タッチパネル装置から、無料利用券をIC内蔵のプラスチックカードやプリペイドカード、又は携帯電話に取り込むことができるビジネスモデル特許(特許第4441796号)を取得している。

「AI」と「ビッグデータ」についてはまだなんとも言えないが、この先「将来の目指すべき方向性」として何らかの特許を取得してくるかもしれない。

 もちろん、こうしたIT以外の強みもあるようだ。近年、ダニやハウスダストによる喘息やアレルギーが問題視されつつある中、「布団を洗う」という一般家庭ではなかなかできない洗濯習慣への意識が高まりつつある。また、女性の社会進出を後押しする政策やライフスタイルの変化も、コインランドリーの需要が高まる要素ではある。

 今後、同社がどのように、AI、IoT、ビッグデータを活用し、事業拡大していくか。注目していきたい。

<文/丹羽唯一朗>