ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡 「海のF1レース」観戦記!

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世界最高峰の国際ヨットレース「アメリカズカップ」。その前哨戦となる「ルイ・ヴィトン アメリカズカップ・ワールドシリーズ 福岡大会」が、2016年11月19、20日の2日間、念願の日本開催を果たした!

165年にも及ぶ伝統あるレースが、アジア地域で開催されるのは史上初のことだ。今回は、2017年5〜6月に英領バミューダ諸島で開催される「第35回アメリカズカップ Presented by LouisVuitton」の予選最終の第9戦目。

日本チームとしても15年ぶりの参加となるソフトバンク・チーム・ジャパンは、これまで第6回のシカゴ大会から連続で表彰台にあがり、フランス大会では2位になるなど好調で、我々ファンの期待は大いに高まる。

レース初日、肝心の風が心配されたが天候は良好。午後1:00ちょうど、空砲の音とともに6艇が一斉にスタート。各ヨットは戦略的に、それぞれのコースを選択し風を捉えながら疾走していく。

使用する艇は全長13.45m、マスト高21.5mを擁するAC45カタマランヨット(双胴艇)。飛行機のようなスタイリッシュな船体は、フォイリング(水中翼による揚力を得て、艇体を水面から浮かせた状態)しながら滑走していく。そのさまはまるで空を飛ぶジェット機のような迫力だ。

シリーズの勝敗は、2日間計6レースの順位で獲得したポイントにより決定する。総合優勝を手にしたのは、ランドローバー・BAR。安定したセーリングで計75点を獲得し、堂々の1位となった。ソフトバンク・チーム・ジャパンは、初日の第2レースでは1位を獲得するなどの意地を見せたが、総合では第5位という結果となった。

「アメリカズカップ」の楽しみは、2017年へと続いていく。”クオリファイヤーズ” ”チャレンジャー・プレーオフ”を経て、最終挑戦者が決定するのが6月12日。前回覇者オラクル・チームUSAと挑戦者都で争われる7戦先勝のマッチレースは6月17〜27日に開催予定だ。

勝つためには、チームに200億〜300億円以上の資産を費やすといわれるアメリカズカップ。伝統ある「オールド・マグ」を手にすることは、至福の悦びであるとともに最高の道楽なのだろう。

アメリカズカップとは

世界最古の国際スポーツトロフィー「アメリカズカップ」をかけて、トップセーラーたちが最先端のレース艇で闘う、一対一のヨットレースのこと。

1851年、英国ロンドンで開催された第1回万国博覧会を記念して、名門ヨットクラブのロイヤル・ヨット・スコードロンが「ワイト島一周レース」を主催したのが始まりで、そこで優勝したアメリカ号に敬意を表し「The Americas Cup」と呼ばれるようになる。その際「国際的かつ友好的な挑戦を恒久的に受ける」という贈与証書とともに、ニューヨークのヨットクラブに寄贈されたことが歴史ある大会の起源となった。

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アメリカズカップはクルーの技量だけでなく、出場国の工業技術など、海事技術の総合力を競ってきたという背景がある。そんな国家ともいえるものを背負った各艇が争う優勝杯は、英国王室御用達のギャラード社製の純銀の水差し。カップには優勝艇の名が刻まれ、アメリカは第1〜24回大会までの132年間にわたりカップを防衛し続けた。

<参加チーム>
「オールド・マグ」(アメリカズカップの愛称)をかけて戦うのは、6チーム。一企業としてだけではなく、国家規模での戦いとなるレースに参加するのは、クルーだけでなく、ヨットデザイナー、ボートビルダー、エンジニアなど。「ルイ・ヴィトン アメリカズカップ・ワールドシリーズ」から「アメリカズカップ」までの2年間は、チームの結束力が求められる。

ソフトバンク・チーム・ジャパン
関西ヨットクラブ所属。15年ぶりに日本から挑戦を表明した新生チーム。ニュージーランドや英国出身のトップセーラーが参加。早福和彦が総監督を務める。

エミレーツ・チーム・ニュージーランド
ロイヤル・ニュージーランド・ヨットスコードロン所属。1987年から挑戦艇を派遣し続け、95年の第25回大会で悲願の初勝利を成し遂げた。

オラクル・チーム・USA
ゴールデンゲート・ヨットクラブ所属。オラクル社のラリー・エリソンが私財を投じて立ち上げたチーム。2010年の第33回大会から防衛を続ける最強チーム。

グルパマ・チーム・フランス
ヨットクラブ・ド・フランス所属。フランスセーリング界の英雄、フランク・カマが率いる。チーム後援者には、元F1ドライバーのアラン・プロストも名を連ねる。

ランドローバー・BAR
ロイヤル・ヨットスコードロン所属。五輪セーリング競技で4大会連続金メダルを獲得した英国の英雄、サー・ベン・エインズリーが代表を務める。2014年創設。

アルテミス・レーシング
ロイヤル・スウィーディッシュ・ヨットクラブ所属。2007年に実業家のトルベルン・テルンクヴィストが結成。チーム名はギリシャ神話に登場する狩猟の女神から。