東シナ海を舞台にした日中両国の対立が、この1年でさらにきな臭くなっている。中国の公船や海軍軍艦による領海に侵入に加え、空でも「一触即発」の事態が続出した。資料写真。

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2016年12月23日、東シナ海を舞台にした日本と中国の対立が、この1年できな臭さを増している。常態化している中国公船による尖閣諸島沖の領海侵入に加え、6月には中国海軍の軍艦が鹿児島県・口永良部島沖の領海に侵入。空でも日中両国の戦闘機同士の「一触即発」の事態が相次いだ。

海上保安庁によると、中国海警局の船が沖縄県石垣市の尖閣諸島沖の日本領海に侵入したのは、今月11日までに計35回を数える。月平均3回のペースだ。侵入を常態化することで日本の実効支配にくさびを打ち込む狙いとみられる。

東シナ海で中国海軍の活動が特に目立ったのは6月。9日には尖閣諸島の久場島と大正島の間を北上するロシア艦隊の動きに合わせるように、ジャンカイI級フリゲート艦を接続水域に侵入させた。15日にはドンディアオ級情報収集艦が口永良部島西の日本領海に侵入。領海内を南東に進み、1時間半後に屋久島南で領海外に出た。

中国軍艦艇が日本の領海に侵入したのは04年11月、潜航中の漢級原子力潜水艦が石垣島周辺で確認されて以来2回目。この時、日本政府は海上自衛隊創設以来2度目となる「海上警備行動」を発令し、P3C対潜哨戒機を出動させ追跡するなどした。

口永良部島沖のケースについて、中国政府は「国際海峡の通過通航権」を主張。日本政府は領海進入にもかかわらず、中国側の真意を見極めるためとして、「抗議」ではなく、一段低い「懸念の伝達」にとどめた。

一方、東シナ海の上空でも6月中旬、日中の戦闘機が「一触即発」の危機に陥った。日本メディアによると、後ろから近づいた航空自衛隊機に中国機が正面から相対するような動き(攻撃動作)を見せ、さらに追いかけるような姿勢を見せたため、空自機はドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断。熱源を感知するミサイルから逃れるために花火のようなものをまく自己防御装置(フレア)を使って離脱した。

これに対し、中国側は「空自機が火器管制レーダーを照射した」と主張。「挑発的な行動は空中での事故を容易に引き起こし、双方の人員の安全に危害を加え、地域の平和・安定を破壊する」と日本側を非難した。

同様の事態は12月10日にも起きた。中国国防部は沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡から西太平洋に向かう定例の遠洋訓練をしていた中国空軍機に対し、日本のF15戦闘機2機が接近し、「妨害弾」を発射し中国側の安全を危うくしたと発表した。

防衛省は「中国軍用機に対し近距離で妨害を行った事実はなく、妨害弾を発射し中国軍用機とその人員の安全を脅かした事実も一切ない」と否定したが、中国側が指摘する「妨害弾」は「フレア」を指すとみられる。もしそうなら、中国軍の戦闘機がF15に対してレーダー追尾(ロックオン)などを仕掛け、F15のパイロットが何らかの脅威を認識した可能性もあり、極めて危険な場面だった。(編集/日向)