クリスマスの激闘!羽生結弦氏欠場で混沌とする全日本フィギュア男子シングルで「託せる男」の誕生に期待するの巻。
このチャンスは、シューアイスよりオイシイ!

大阪RACTABドームの屋根を背景に高橋大輔さんの語りで始まった、2016年のフィギュアスケート全日本選手権inフジテレビ。フジテレビが年末のスポーツ特番で屋根を映すと、ついつい「ふんどし姿の高橋大輔さんが太鼓を叩きながら屋根で開会を宣言する」という予感がしてしまう世代なのですが、高橋さんはリンクの上にいました。普通でした。

しかし、今年の大会・男子シングルは普通ではありません。絶対王者・羽生結弦氏がインフルエンザで直前になって欠場を発表したのです。五連覇を狙う金メダリスト&直前のGPファイナル王者がいない。屋根が外れたドームのように、視界が一気に広がっていきます。「アレはいない。勝つのはオレだ」という燃え上がる闘志。本命不在の大会もまた楽しからずや。人生を変える初優勝を、今年は絶対に見られるのですから。

中継はジュニア・18歳の友野一希さんからスタート。ベートーベンの運命に乗せて友野さんが滑り出すと、ひとつの違和感が。オヤ、左上にTESカウンターが。しかも、基礎点だけではなく、GOEを別途表示するという極めてわかりやすい仕組み。「羽生選手はいませんが、代わりに僕をご覧ください」とでも言うのか。何といじましい。羽生氏の代わりになるものじゃないですけれど、これは便利なのでとてもいいと思いました!

↓GOEがわかるし、技名が出るからスピン・ステップのレベルもつかみやすい!何だこの急に予告なく頑張るフジは!

このシステム他局にも配ってくれんかのぉ!

これがあればダラーッと見れるわ!

計算がはやくできる

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この仕組みが導入されたことによって、ショートプログラム中にもあったのですが、「要件を満たさずにノーカウント」などの特別な出来事があったときには、その要素が飛ばされるという形で即座にその情報が画面で認識できるようになりました(飛ばし忘れることもありましたが)。これは「ISUコミュニケーションを読む」という面倒な作業を要せずに、普通の人が普通に中継だけ見て試合の展開を把握するために、大きなサポートとなるもの。

このような技術的な革新…急に世界で一番見やすいTESカウンターを作ってきたり、たっぷりと時間をとって序盤の選手も含めてなるべくひとりでも多くライブで映そうとする中継姿勢など、フジテレビは一体どうしてしまったのでしょうか。3時間の中継の大半を「羽生氏の栄光を振り返り」「世界初!4回転ループ」「今季はプリンスを演じる!」などで埋めてくるかと思っていたのに。もしくは宇野昌磨クンのマッサージ風景とかを10分くらい映しながら、横で小声でしゃべる番組になるかと思っていたのに。誰かクビにでもなったのでしょうか。あるいは中野社員が大出世して、現場を仕切れる立場にでもなったのでしょうか。それともほかに映すものが何もない(あるいは作る余力がない)のか。とにかく、まるで人が変わったようなスポーツ中継ぶりに、フジテレビとハイタッチでもしたいような気分です。

そんな中継姿勢のおかげもあって、全日本ならではのお楽しみというのもしっかりと観戦することができました。鎌田詩温選手のルパン三世の演技などは、「いいとこだけ録画で切り張りして映す」という中継姿勢なら映らなかった名場面でした。決められた時間の結構な割合の時間を、タイトルコールのタイプライター音にあてたり、さらにナレーションまで入れてきたり、ルパンらしさを出すことにこだわったプログラム。緑ジャケットの初期ルパンを演じる渋みや、ジャッジ席に花を手品で出しに行く雰囲気のアピールなど、優勝云々には及ばないものではありましたがイイ演技を見せてもらいました。

日本のフィギュア界でルパンというと、ルパン近藤さんとしてルパンのことだけやたら知られている近藤琢哉さんなど、まぁひとつ定番のネタというか伝統というか、とにかくみんなルパンが大好きです。「火の鳥」とか「オペラ座の怪人」とか「カルメン」とか、世界的に何度も何度もいろんな人がやる演目があるように、何度も何度もルパンをいろんな人がやるのも、日本の大会らしくていいのではないでしょうか。

↓クリスマスルパンの伝統芸を受け継ぐ新たな選手にメリークリスマス!


世代的には初期というよりはカリオストロの城のルパンかな?

なら、屋根から屋根へのバレエジャンプとかも取り入れると楽しいかも!

あと、ルパン走りは近藤ルパンくらいガッツリやってほしい!

とにかく「爪痕」はものすごく残りましたよ!

ルパン三世 カリオストロの城 [ ルパン三世 ]

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さぁ、たくさんの選手がこの大舞台で全国に存在感を示すなか、戦いは佳境へと入っていきます。羽生氏不在の全日本を誰が制するのか。候補となるのは、4回転を跳び、国際的にも実績のある3選手、宇野昌磨クン、無良崇人さん、田中刑事さんでしょうか。下馬評なら宇野クンなのでしょうが、そう簡単ではないのもまた全日本らしさ。

有力どころでは最初に登場してきた宇野クンは、冒頭の4回転フリップはこらえて着氷するも、4回転トゥループで転倒となりコンビネーションの要素が抜けてしまいます。いまさら固くなるということもないのでしょうが、自慢のクリムキンイーグルもあっさりと終わってしまうなど、どこか気が急いているような演技です。世界の舞台で活躍していても、全日本王者というのはやはり未知の領域なのか。SPで勝負を決めるスタートダッシュ、というわけにはいきませんでした。

↓すべてをやり切れば100点クラスのプログラムだが、この日は88点止まりに!

いやーーーー、しかし、これで面白くなったな!

優勝候補本命の重圧を楽しんで頑張れ!

そんな宇野クンの演技の直後に出てきたのは、虎視眈々と優勝を狙うベテラン・洋菓子の無良崇人さん。洋菓子の無良さんは、冒頭の4回転トゥループを何とかこらえて決めると、自慢のトリプルアクセルは余裕たっぷりに決めてイイ滑り出し。ジャンプをすべて決めると、そこからは洋菓子の魅力がたっぷりと詰まったタップ音だけが流れるステップシークエンス。ナッツを刻むようなタカタンタカタンという音を全身に浴びて、ホワイトチョコの色気をまとった洋菓子の無良さんが躍動します。

演技後には、この日一番の歓声が起き、総立ちでのスタンディングオベーションも。洋菓子の無良さんもまずまずの表情で観衆に一礼。「洋菓子のヒロタをお願いします!」「クリスマスは洋菓子のヒロタをお願いします!」「ヒロタの洋菓子でハッピーメリークリスマス!」という瞳の輝きは、クリスマスのなせる魔法でしょうか。ヒロタさん的にも「ケーキを買う前日にヒロタの名前をとどろかせた」という意味で、会心のSPとなりました。

↓洋菓子の無良さんの演技は自己ベストに迫る90.34点!


2015年の全日本には少し及ばなかったけれど、いいスコア!

全日本王者になるまたとないチャンスに燃えろ!


↓見よ、各地の洋菓子屋よ!このHIROTAの圧倒的存在感を!


HIROTAがフィギュアスケート選手を支援している理由が、今さらになってやっとわかった気がした!

「ケンタッキーじゃないチキン屋」とか「トイザラスじゃないおもちゃ屋」とかも、フィギュア選手おひとりいかがですか!

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迎えた最終グループ。日野龍樹さんがNHK杯の悔しさを晴らすかのような会心の演技で会場を盛り上げるなか、ルパンを追って…じゃなくて「世界」を狙ってやってきたのは田中刑事さん。刑事の田中さんは4回転サルコウを頑張って転ばずに耐えると、そこからはのぼるいっぽうの尻上がりの演技。熱っぽい表情で魅せるラテンの踊りは、南半球から真夏のクリスマスを連れてくるかのよう。何か、この一発でまたファンが増えそうな気がする好演技でした。演技後には再び総立ちのスタンディングオベーションが起き、人生を変えそうな波がビンビンきていることを感じさせます。優勝争いを三つ巴にする85.68点は、国内選手権での結果ではあるものの、自己ベストのスコアを超える高得点!

↓これは「3人目」の日本代表選びを非常に難しくさせる躍進だな!

洋菓子の無良さんか、刑事の田中さんか!

このバトルは熱い!

来年3月の世界選手権、男子シングルでは日本から3選手が出場する予定。ひとりは全日本の優勝者、ひとりは全日本もしくはGPファイナルの上位者、そして残りは有力どころから総合的に勘案しての選考となります。やむを得ないインフルエンザで全日本を欠場となった羽生氏が2番目の条件で選ばれるものとすれば、残る枠はあと2つ。

今季の実績等を鑑みると、宇野昌磨クンはよしんば大失敗の連続で下位に沈んだとしても3番目の条件で選ばれるように思います。しかし、残りひとつの枠を争うであろう無良さんと刑事さんは、どう決着するのか予測も含めて非常に難しい。実績なら無良さんですが、今季だけを見れば刑事さんのほうが好成績を残しています。単純に順位が上だったほうを選ぶというやり方なら揉めないのでしょうが、このふたりでの選考だと、順位以外のところまで鑑みて決めて揉めそうな予感も。発表までまったく予断を許されない面白い戦いです。

とにかく誰にとっても確実なのは、優勝すれば絶対に選ばれるということ。優勝すれば絶対に揉めない。そういう意味では、特に当落線上にいる選手にこそ勇敢に優勝を狙ってほしい。「全日本王者」という看板は人生を変えるものです。この千載一遇のチャンスをつかんでこそ平昌五輪の枠取りも託せますし、その枠を自分で使うという気持ちにもなれるでしょう。人生イチの演技、見せてもらいたいものですね。

来年の全日本で頑張れる選手なら、今年頑張れるんじゃないかと思う!