ケンタッキーの店舗(撮影=編集部)

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 今の時期、テレビで流れるケンタッキーフライドチキン(KFC)のCMを見て、「あぁ、クリスマスが来るぞ」と感じる人も多いのではないだろうか。クリスマスイブや当日の店舗では、注文していた商品を受け取る大勢の人々が見受けられる。

 しかし、実は世界的に見ると“クリスマスにチキンを食べる”といった習慣は珍しい。アメリカやイギリスなどで伝統的なのは七面鳥(ターキー)であり、日本人がクリスマスにチキンを食べていることについて、海外の人々は不思議がっているという。

 また、一部インターネット上では、KFCが拡販戦略の一環として、大規模な宣伝活動を通じて「クリスマスはチキンを食べるもの」というイメージを日本で意図的に広めたという噂も流れている。

 そこで今回は、日本KFCホールディングスへの取材を通じて、その真偽を探ってみた。

●偶然だった“きっかけ”

 まずは、そもそも「日本に『クリスマスはチキン』という習慣を根付かせたのはKFC」という情報は、事実なのであろうか。この質問に対し、日本KFC企画広報部は、次のような“歴史”を交えて回答した。

「店舗近くのミッション系の幼稚園から、『フライドチキンを買ってパーティをしたい。サンタクロースに扮装してクリスマス会に来てもらえませんか?』とのご相談を受けました。そこで、サンタクロースに扮した店長が会場に入り、『メリークリスマス!』の掛け声と慣れない踊りを披露すると、場が盛り上がり、子供たちは大喜び。次第にいろいろな学校からご注文が入るようになりました。これにヒントを得た営業担当者が『クリスマスにはケンタッキー』を広くアピールしようと考えたことがはじまりです」

 そうして、初のクリスマスキャンペーンは1974年12月1日に開始。以降、日本KFCは「クリスマスにはケンタッキー」というメッセージをテレビCMなどで流し、毎年全店でクリスマスキャンペーンを実施している。

「また、1985年には『パーティバーレル』を発売いたしました。最上段にオリジナルチキン、中段にケーキ・アイス、下段にサラダという、これさえあれば、手軽にパーティができるといった組み合わせで、大ヒットとなりました」(同)

 確かに、筆者も子どもの頃、実家でクリスマスの日にパーティバーレルを買ってもらった記憶がある。あの豪華さは、子どもにとって夢のようなご馳走だった。こうした商品展開やアイディアが、「クリスマスにはチキン」という認識を広めてきたといえそうだ。

「日本のクリスマスは、宗教的な色彩からは少し離れ、どちらかというと、楽しく、あるいはロマンティックに過ごすイベントのひとつ、生活を彩る催しとして定着しているように思います。現在もクリスマスには多くのお客様にご来店を頂いています」(同)

 ちなみに2015年のクリスマス期間(12月23〜25日)、KFCの全国1,125店(稼動店)の総売上は54億9000万円を記録。前年比104.4%を達成した。

 また、KFCは同年、クリスマスキャンペーンを過去最長の7日間実施していた。その結果、キャンペーン期間における1店舗あたりの売上は632万円(前年比101.2%)と過去最高の数字を叩き出し、全国1,125店の総売上高は71億1000万円にもなったという。

 このような数字からも、「クリスマスにはケンタッキー」が定着、浸透していることは明白といえよう。
(文=編集部)