いよいよ、クリスマスシーズンも本番。親しい仲間と、ホームパーティーを企画している人も多いのでは? クリスマスパーティーで飲む定番といえば、シャンパン、ワインですが、今年のクリスマスは「シェリー」を加えてみてはいかがでしょう。

シェリーの魅力をお伝えした前回に続き、今回は、シェリーの種類と、シチュエーションに合わせた飲み方をお伝えします。

気分に合わせて飲み分けたい、シェリーのバリエーション

スペインのアンダルシア南西部ヘレス地域で生まれ、特別な自然条件の下、独特の製法でできあがるワインが「シェリー」です。使用されるブドウ品種、醸造方法、熟成方法によって、異なったタイプのワインになります。

日本ではシェリーというと、淡い金色のドライなフィノタイプがポピュラーで、その一種類しかないと思われがちです。実は、シェリーの種類は10種類以上。産地にはワイナリー、そしてラベルの数もたくさんあるのです。

タイプは、辛口から甘口、極甘口まであり、色・香り・味わい・料理の合わせ方もバラエティに富んでいます。食前酒として知られるシェリーですが、食事中にも、食後にもそれぞれ合うものがあります。

では、日本でも手に入れやすい、代表的な4種類をご紹介しましょう。

左から、フィノ、マンサニーリャ、オロロソ。いずれも辛口タイプ

「フィノ」辛口

輝きのある、黄色から淡い金色をしたワインです。アーモンドや焼く前のパン生地、野の草を思わせるような香りが感じられます。塩味でシンプルに調理した前菜や、マイルドなチーズによく合います。

口当たりが軽く、ごく辛口なので、和食との相性は抜群。焼鳥やおでん、家庭のお惣菜にもOK。フィノは、日本では一番ポピュラーなタイプ。レストランやホテルのバーには必ず一本は置いてあります。日本酒や辛口の白ワインが好きなら、ぜひこのタイプからトライしてみて。

「マンサニーリャ」辛口

麦わらのような淡い黄色のワインです。シャープでデリケートな香りのなかに、カモミールのような花の香りや、アーモンドを思わせる香りがあります。辛口で、フレッシュな風味は、海沿いの産地の気候がもたらしたもの。

合わせる料理も、魚介系が抜群です。エビ、蟹、貝類、白身魚などをシンプルに調理したもの。家庭の焼き魚や、お刺身、天ぷらにも合います。

「オロロソ」辛口

琥珀色からマホガニー色をしたワインです。木やクルミのようなニュアンスのある温かくまろやかな香り。うまみのある、骨格のしっかりしたワインです。

このオロロソには、赤身肉、しっかりした味の煮込み、熟成タイプのチーズとよく合います。また、紹興酒のような深みがあるので、中華料理や、エスニックとも好相性。食後にチョコレートなどとゆっくり味わうのにも向いています。

「クリーム」甘口

栗色から濃いマホガニー色で、とろりと濃度の高いワインです。はっきりしたオロロソの特徴があり、ナッツが持つ甘さや、トースト、カラメルのような香りと混じり合っています。

ビロードのような口当たりの、バランスの良い甘さが魅力です。クリームは、食後にそのままデザート替わりに楽しんでみてください。また、スイーツや和菓子、果物に合わせても美味しくいただけます。

辛口と甘口をそれぞれ用意しておけば、食前酒、食事中、食後にと、じっくりシェリーを楽しむことができます。

さらに、氷を入れたり、ジュースやリキュールを加えてカクテルにしたり、自由にアレンジしてもおいしく飲めるのが、シェリーの良さ。

ぜひ、飲み比べて、好みの飲み方を発見してみてください。

取材協力:シェリー委員会
撮影協力:バル・ペピート

(山野井春絵)