地下鉄ホームに人生相談ブースを設けた11歳少年(出典:http://nypost.com)

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ちょっと型破りなカウンセラーが米ニューヨークのブルックリンで話題だ。ブルックリンの学校に通う11歳のチロ・オルティーズ君(Ciro Ortiz)は、スヌーピーで知られる漫画『Peanuts(ピーナッツ)』に登場するキャラクターのように段ボールのブースを作り、ニューヨーク地下鉄の駅構内で人々の人生相談にのっている。

チロ君がこのカウンセリングを始めたのは、かつていじめに遭ったことが大きく関係しているという。いじめの経験からチロ君は「同じように困っている人を助けたい」という気持ちで、数か月前から日曜の2時間(12時〜14時)をベッドフォード・アベニュー駅の構内にて人生相談ブースを開くことにした。

段ボールのブースには「お悩み相談 2ドル(約230円)」と記されている。チロ君の側には非営利団体のマーケティング・ディレクターを務める父のアダムさん(36歳)か母親で詩人のジャスミンさん(35歳)がついており、人生相談を受けるニューヨーカーたちの様子をInstagramに投稿している。

母ジャスミンさんは、米紙『New York Post』に「息子はとても繊細な子です。人生相談の初日はとても緊張していて、自分がすることに対して不確かなようでした。でも数週間後には『すごく素敵な人たちと出会ったよ』『友達ができたよ』と報告してくれるようになったんです」と語る。

チロ君は、一日平均50ドル(約5,800円)を稼ぐこともあるという。そのお金は、スナック菓子やランチを買う余裕のない同じ学校の生徒たちに差し出されており、両親はそんな息子を誇りに思っている様子だ。

駅構内のチロ君によるお悩み相談は、ニューヨーカーたちに人気のようだ。相談内容は主に人間関係における悩みや仕事での問題だそうだが、チロ君は一般的なアドバイスとして「変化を恐れないこと」と伝えている。

「物事は常に変わるものであり、人生は変化していくものです。だからその変化を受け止めるようにすればいい」と11歳少年が大人にアドバイスする様は少し滑稽でもあるが、利用者が多いということはそれだけチロ君のアドバイスが純粋で的確なのだろう。

チロ君のアドバイスはニューヨーカーたちの心に沁みるようで、両親によると「ずっと心に思っていたことをチロ君に言い当てられた」と話す女性もいたという。

多くの大人の相談相手になり、ニューヨーカーたちにとって心の癒しとなっているチロ君。しかし将来は心理療法士になることは全く考えておらず、ビデオゲームのデベロッパー(開発者)になりたいそうだ。

出典:http://nypost.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)