リアムとノエルの愛憎関係:『オアシス:スーパーソニック』監督が語る

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バンドの結成からネブワースでの歴史的公演まで、オアシスの軌跡を描いたドキュメンタリー映画『オアシス:スーパーソニック』の知られざる裏側を、マット・ホワイトクロス監督が語った。

1994年、イギリス音楽史上最速のスピードで売れたデビュー・アルバム『オアシス』で華々しくシーンに登場したオアシス。アルバム全7作品がUKチャート1位に輝き、全世界でCDトータルセールス5,000万枚以上を記録するなど、全世界のミュージックシーンに燦然と輝きながらも、2009年に解散の道を選んだ。

リアム&ノエル・ギャラガーが製作総指揮を務めたバンド初の長編ドキュメンタリー『オアシス:スーパーソニック』には、アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた『AMY エイミー』の製作スタッフが集結。オアシスの知られざる姿を間近で目撃した、マット・ホワイトクロス監督の独占インタヴューをお届けする。

-なぜオアシスを題材とした映画を撮ることにしたのですか?

僕は1995年から1996年の初期の頃からオアシスのファンだったんだよ。でも実際に生で彼らを見る機会がなくて、たぶんネブワース公演の後になって、3つ目のアルバムの時くらいに初めて見る機会があったんだ。その頃には彼らはもう有名なバンドになっていた。彼らは約1年の間に世界で最も有名なバンドになっていたんだ。僕が見に行ったステージまでの間に、スタジアムでのライブだとかアリーナツアーもやっていて、1年前とは全く違うものになっていた。僕の友達の何人かが、クラブでほんの20人ぐらいの人の前でオアシスが演奏していた時代にライブを見たことがあって、すごい体験だったって言っていた。僕がこの映画製作のためにオアシスのメンバーに直接会えた時、メンバー自身も、その時代のオアシスこそが一番見るべきものだったと言っていたよ。オアシスはもう別物になってしまったんだ。その後では、オアシスはもう一大ブランドのようなものだった。

前に友達とビールを飲みながら話したことなんだけど、2016年はネブワース公演の20周年記念になるんだ。ネブワース公演は、オアシスが好きな人にとっても嫌いな人にとっても、またどうでもいいと思ってる人にとっても、とにかく何であろうと時代を定義づけるような出来事だったんだ。彼らが実際にリハーサルをし始めて、まだ失業中で失業手当をもらっている時から、失業手当をもらうのをやめていわゆるプロになってネブワースのあのステージに上がった時までの期間は、たったの2年半だったってことに気付いたんだ。それはとても不可能なことに思えるけど、すごく凝縮した期間だったんだ。そんなことを成し遂げたバンドは他にいなかったよ。今では音楽業界がすっかり変わってしまったから、もうそんなことは二度と起こらないだろうね。だから僕たちは、じゃあその2年半から3年の間に何が起こったのかを見てみよう、ってことになったんだ。それでこの企画をやってみたくなった。

彼らの音楽も好きだし個性も好きだけど、あの5人が一緒にやるようになったことと、当時イギリスや世界で起こっていたことの奇妙な組み合わせがピッタリ合ったんだと思う。ノエルの歌とリアムの態度っていうか、彼らの立ち振る舞いと彼らのカリスマ性と他のあらゆることと、あの5人の間にある何とも言えない奇妙なマジックがオアシスを独特にしたんだよ。

僕はいろんな音楽関係の作品を手がけてきた。ザ・ストーン・ローゼズにしろ、イアン・デューリーにしろ、オアシスにしろ、毎回彼らの音楽は偉大だと思うんだ、言うまでもなくね。でも映像作品を作るなら、音楽が偉大なだけではダメだと思う。それなら映像作品なんか観ないで、彼らのアルバムを聴いていればいいんだから。その裏にある物語まで捉えなきゃ意味がない。驚くような関係性の二人の兄弟がいて、彼らが何かをきっかけとしてこの道に踏み出して、その周りの人が皆巻き込まれていったっていうストーリーこそ、語り継ぐべきものだと思ったんだ。