国政介入事件で韓国社会の亀裂が深まっている。弾劾訴追された朴槿恵大統領は全面的に争う構えだが、国民大多数は罷免に賛成。一方、韓国紙の中には行き過ぎた大統領批判をいさめる論調もある。写真は韓国大総統府。

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2016年12月24日、国政介入事件で韓国社会の亀裂が深まっている。弾劾訴追された朴槿恵大統領は全面的に争う構えだが、世論調査では国民の75%以上が罷免に賛成。その一方で、保守派を中心に憲法裁判所に訴追の棄却を訴える声も少なからずある。韓国紙の中には行き過ぎた大統領批判をいさめる論調も表れた。

朴大統領の弁護団は16日、弾劾に関する答弁書を憲法裁に提出した。聯合ニュースなどによると、答弁書では親友の崔順実被告の国政介入事件について「(崔被告らが)国政や高官人事に広く関与したというのは事実ではなく、立証されたものはない」と反論した。

贈賄罪などについても「崔被告らの一審の刑事裁判手続きで十分な審理を経た後に決定されるべきだ」と主張。「証拠があったとしても、(大統領の)罷免を正当化する重大な法律違反はない」と強調した。

これに対し、大統領の退陣を求める声は依然として高いまま。ハンギョレ新聞によると、世論調査機関のリアルメーターが13、14日の2日間、全国の成人1058人を対象に実施した調査で、憲法裁が朴大統領の弾劾審判を認容すべきだという回答は75.7%に上った。棄却すべきだという答えは15.2%にとどまった。

世代別では、認容すべきだという回答は20代が90.7%、30代が88%、40代が87%、50代が69.5%。60代以上も50.2%と過半数を超えた。

しかし、朴大統領の支持派も黙ってはいない。ソウル中心部では17日も大統領を糾弾する大規模な集会が開かれたが、警察の推計によると、参加者は約6万人。約50の保守系団体が同じ日に憲法裁近くで開催した集会は警察推計で約3万3000人を動員した。両派の参加者から怒号が飛び交う場面もあったという。19日夜には国政介入事件を特ダネとして報じたケーブルテレビJTBCの社屋に海兵隊服を着た男がトラックで突っ込む事件も起きた。

こうした中、韓国最大の発行部数を誇る保守系の朝鮮日報は「大統領の下着まではぎとろうとする低俗な韓国」との論説主幹名のコラムを掲載。一部メディアの行き過ぎた大統領批判に警鐘を鳴らした。

コラムは「朴大統領がしわを目立たなくする施術を受けていようといまいと、それが国政や崔被告の事件と何の関係があるのか」と指摘。「韓国が今問うべきなのは、国政がどうなっていたのか、憲法や法律の違反はなかったのかという点だ」として、「この深刻な問題を差し置いて、人の個人的な隠し事を暴き、罵倒したりそしったりして面白がるのは、国を前に進めることに少しもつながらない」と論じている。(編集/日向)