ご好評いただいた「温泉旅館に置いてある『お茶と菓子』には深い意味があった」に続いて、今回のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす〜飯塚玲児の“一湯”両断!』では、「入浴時に頭に載せるタオル」の意味について、メルマガ著者で温泉ソムリエの飯塚玲児さんが教えてくれました。どうやら、「冷たいタオル」と「温かいタオル」を使い分けるのがポイントみたいですよ。さっそく詳しく見ていきましょう!

頭に載せるタオルの意味、ふたたび!

前号で、旅館のお着きのお茶と菓子の意味を再掲載したら、1週間経った今もまぐまぐニュースの人気ベスト5に入っている。 やはり、こういう雑学ネタは定期的にご紹介したほうがいいんだろうなと思った。

ちなみに入浴前のお茶に関しては、温ソムの遠間家元が読者コーナーで追加の情報を提供していただいているので、そちらもご覧ください。

さて、そういうわけで、これまた昔書いたことだけど、「入浴のときに頭に載せるタオルにも意味がある」ということについて再度書いてみたい。

入浴時に頭にタオルを載せている光景はよく見かけるものだが、あのタオルにもきちんと意味があるのである。タオルを濡らさないように頭の上に、というような単純なものではない。むしろ、タオルは乾いていては意味がない。 濡れていないとダメなのだ。

医学的にも意味があり、タオルの温度の使い分けも必要なのである。前号でも書いた通り、僕はこの話を聞いた時、講義を受けたうちの半分くらいモト取った! と思ったものである。温泉ソムリエの講座を受けると、こういう雑学知識も教えてくれるのだ。 むろん、分析書の読み方も正しい入浴法も学べる。ものすごく人気があって、どんどん認定者が増えているのもわかる。

では、そのタオルの意味(使い分けかた)についてである。

まず原則として、入浴中に頭に載せるタオルは「冷たい水をしみ込ませたタオルを、頭を覆うように載せる」というのが基本である。

これは「のぼせ」の防止になる。 入浴すると体が水圧を受けて血液が頭に集中しやすくなるため、入浴中は「のぼせやすい状態」であるといえる。 

そこで頭を冷やすために、冷たいタオルを頭に載せるわけである。

「頭寒足熱」という言葉があるが、どちらか迷ったら冷たいタオルを載せる、と覚えておけばいい。

一方、冬の露天風呂などでは、冷たい外気と熱い湯との温度差で血圧が急上昇しやすいので、この場合は熱い湯に浸したタオルを頭に載せる。

ただし、夏の陽射しの強い日の露天風呂などでは、やはり冷たいタオルを頭に載せたほうが良い。 内湯でも、やはり冷たいタオルを頭に載せる。

また、お風呂上がりには立ちくらみを起こしやすい。 これは下半身が水圧から開放されて、頭側から足側へ血液が急に移動するためである。

この立ちくらみを防止するためには、冷たいタオルを頭に載せて、ゆっくりと湯船から上がるのがよい。 浴槽からザバッと立ち上がった瞬間にくらくらしてぶっ倒れるお年寄りって案外多い。 年配者に限らず、若くても油断ならないので、十分に気をつけて欲しい。

入浴中のタオルは、基本的に冷たく濡らしたタオルを載せるべし。

ただし、冬の露天風呂などでは温かいタオルを載せるべし。

この二つを知っているだけでも、間違いなく、忘新年会の席で、あなたは再び、雑学博士の称号を得るに違いない。

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『『温泉失格』著者がホンネを明かす〜飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児

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出典元:まぐまぐニュース!