2つの主翼が折れ、機体が3つに裂かれながらもパイロットが39人全員の命を救う

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エンジントラブルのため緊急措置を余儀なくされたパイロットが、自らの経験を頼りに全員を救ったとして話題になっている。

着陸も引き返すことも不可能

そのパイロットとはAndrey Logvinovさん(44)。彼は12月19日、ロシア防衛省の旅客機「Ilyushin-18」を操縦し、エカテリンブルクからティクシへと飛行していたという。

しかし突然、左のエンジンが出火。緊急措置を余儀なくされたAndreyさんは、厳しい判断を迫られることに。

というのも当時は天候が荒れており、激しい嵐が吹いていたため着陸することは非常に困難な状況だったからだ。

後に救急隊の報道官は声明で「飛行機は激しい嵐の中に入っていました。そのような状況では飛行機を着陸させることは不可能でした。また引き返すことも不可能だったのです」と語っている。

主翼が折れ、機体も3つに引き裂かれる

エンジンが爆発したり、機体に火が移ったりすれば空中分解や墜落の危険もある。そのためAndreyさんは雪や氷に覆われた土地に着陸することを決意。

自らの経験と技術を頼りに、飛行機を操縦し、ロシア連邦サハ共和国の北東部に強行着陸をした。

しかしその衝撃で2つの主翼は折れ、機体も3つに引き裂かれたという。

一時、全員死亡という情報が流れる

その結果、当初は9人の乗員以外全員死亡という情報が流れた。しかしその後、当局は乗っていた39人全員が無事であることを確認したとされている。

もっともそのうちの4人は非常に危険な状態にあるとして、モスクワやサンクトペテルブルグの病院へ緊急搬送されたそうだ。

「不可能なことを成し遂げた」

現在までに事故の原因は分かっていないが、この機体は51年前に製造されたもので、燃料システムのトラブルか、強い横風を受けた影響が原因ではないかと見られている。

救急隊の報道官は声明で「パイロットは不可能なことを成し遂げました。彼は機体全体が火災になるのを防いだのです。そして奇跡によって、乗っていた全員が生き延びました」と語っている。

非常に恐ろしい事故だったようだが、Andreyさんの決断と行動は多くの人々から賞賛されているという。