『フリーランス女医が教える 「名医」と「迷医」の見分け方』筒井 冨美 宝島社

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 天才外科医・大門未知子の決めゼリフ「私、失敗しないので」「いたしません」で、お茶の間の人気をさらった、ドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(テレビ朝日系)。権威や組織に縛られることなく、腕一本であちこちの大病院を渡り歩く大門未知子(米倉涼子さん)のアウトローな活躍ぶりに、溜飲を下げた視聴者も多いでしょう。

 同作において、主人公を女房役として支えるのが、有能な麻酔科医・城之内博美(内田有紀さん)の存在ですが、現実には、同作で描かれる大門未知子や城之内博美のような、特定の大学医局に所属せずに働く"フリーランス"医師は、存在し得るのでしょうか?

 そんな疑問に対して、同作の制作協力を務めた筒井冨美医師は、近著『フリーランス女医が教える 「名医」と「迷医」の見分け方』の中で、次のように述べています。

 「実際の医療現場で働く人は、こう答えるだろう。『大門未知子(米倉涼子)のようなフリーランス外科医はほとんど実在しない。しかし、城之内博美(内田有紀)のようなフリーランスの麻酔科医はそれなりに存在し、現在も増加中である』と」(同書より)

 自身もまた、大学病院の勤務医からフリーランス麻酔科医に転身した女医である筒井医師によれば、麻酔科医は外科医や内科医のように患者の主治医になることがないので、外部委託しやすいことから、出来高制のフリーランスで働く麻酔科医が増加傾向にあるのだとか。

 これには近年、社会問題になっている医師不足の影響や、同作の効果も大きく、「それまで『フリーター』呼ばわりされ、『医療界の底辺』」(同書より)とみなされがちだったフリーランス医師を「腕一本で生きる、新しいタイプの生き方」(同書より)と、ドラマの中で好意的に描いたこともあって、医師のフリーランス化は進みつつあるようです。

 第四章では、現役フリーランス医師の立場から、「疑問6 ドクターXに出てくるような巨大病院にモデルはある?」「疑問10 医大教授の愛人はナースが多い?」「疑問12 女医の結婚相手はやっぱり医師?」など、ウソ・ホント形式で"白い巨塔"の実態を解説。同書を一読すれば、ドラマの世界もより一層身近に感じられるのではないでしょうか。