ユーグレナからバイオプラ原料となるバイオコハク酸の生産に成功。化石資源の消費削減に期待

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明治大学、理化学研究所、神戸大学、株式会社ユーグレナらの研究グループが、ユーグレナ(和名はミドリムシ)という真核微細藻類から、バイオプラスチックの原料となるバイオコハク酸の生産に成功したと発表しました。

コハク酸は生物が体内で作る有機酸のうちのひとつで、化学工業原料として近年注目されています。現在、多くのコハク酸は石油を原料として生産しており、化石資源を使わない、生物由来のバイオコハク酸の需要が年々増加している状況です。しかしそのバイオコハク酸も、酵母に糖を加え、発酵させて生産しているため、食糧との競合が懸念されています。

そうした背景から、同研究グループでは微細藻類の光合成を利用した、糖を使わないバイオコハク酸の生産に注目。2015年には、ラン藻の光合成の力を用いたバイオコハク酸を生産し、「二酸化炭素と光エネルギーを資源としたバイオコハク酸への変換」という新しい生産方法を発見しました。

今回は、動物と植物の両方の性質を持つ真核微細藻類であるユーグレナを使ったバイオコハク酸の生産に挑戦。ラン藻が暗・嫌気条件での培養により、細胞外にコハク酸などの有機酸を放出する性質を持つことをふまえ、ユーグレナを明・好気条件下で培養した後に暗・嫌気条件下に移行させたところ、コハク酸などの有機酸を細胞外に放出することを確認したとのこと。

ユーグレナは、食品や化粧品などに活用されている実用微細藻類です。同研究グループでは、微細藻類を使った、光合成によるバイオプラスチック生産の工業化を最終目的としていますが、今回の成果はその足がかりとなる大きな成功といえるでしょう。

ただ、現時点では工業生産レベルに及ばない生産量とのこと。生物由来のバイオコハク酸の需要は今後ますます増加するとみられていますから、さらなる研究の発展を期待したいところです。