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IDC Japan12月22日、2016年5月時点の予測に基づいた国内法人向けタブレット市場の2016年〜2020年における産業分野別予測を発表した。

それによると同社は、法人向け市場のタブレット出荷台数の2015年〜2020年の年間平均成長率はマイナス4.8%と予測。これは、2015年まで市場をけん引していたB2B2C用途でタブレットを採用してきた企業の方針変更により、今後新たな大型案件が期待できないと予測されるためだという。

また、企業での業務端末としてのタブレットは、モバイル端末に合わせた見やすい画面設計のアプリケーションの追加などの再設計を行う必要があり、企業にとって新たな費用負担が必要となるほか、PCの社外持ち出し制限を行っている企業ではタブレットも同様の制限がかけられる可能性が高いため、業務端末としてのタブレット導入に消極的になっている点も理由にあるという。

産業分野別に見た2020年までのタブレットの出荷台数は、製造、金融、サービスの産業分野の成長率が高く、製造では、次世代PLM(Product Lifecycle Management)システムにより、生産ラインにタブレットを設置し、設計のマイナーチェンジなどの情報を即時に生産に反映させるなどの市場機会があり、2015年〜2020年の成長率は9.0%と予測している。

金融では、既に生命保険会社を中心にタブレットが導入されているが、2018年以降この買い替え需要などが期待されると考えられ、2015年〜2020年の成長率は7.2%と予測。

また、サービスでは、日本郵便による高齢者向けタブレットや、インターネットプロバイダーなどによるモバイルコンテンツ課金などによるビジネスモデル構築のための端末としてタブレットの導入が進められることが期待され、2015年〜2020年の成長率は4.6%と予測している。

学校のICT化では、2016年3月時点の文部科学省が公開したデータによると、6.2人/台のPCまたはタブレットが設置されており、その中でタブレットは47.7人/台が設置されていることが分かったという。

目標である2018年3月までに3.6人の児童生徒数に対し、1台のPCまたはタブレットを設置するには、今後2年間で約140万台のPCまたはタブレットが新たに導入されることが必要なため、大量のタブレット導入を進めるためには、タブレット本体のコストを下げることが必要だという。

また、児童生徒が転校した場合でも、同じオペレーションが求められるため、タブレットベンダーと国が協調し学校タブレットの仕様について、早急に取り組むことが必要だとIDCは指摘している。

IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「企業でのタブレット需要は一巡し、従来からのプレゼンテーション用途に加え、社外からの基幹システムとの連動やこれによる意思決定の速さによる効率的な業務を行う事が求められている。これを実現するためには各企業でのシステムの見直しと共に、ROIなどを使った投資対効果の明示が必要になる」と述べている。

(丸山篤)