【専門誌では読めない雑学コラム】
■木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第85回

 テレビドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』の、石原さとみちゃんのセリフじゃありませんが、

「我々は、当たり前のことに気づかない」そうです。

 ゴルフ的に、それはどういうことなのか?

 健康な体で、そこそこ小遣いもあり、ゴルフができる環境にいる、ということ。そして、その素晴らしさです。

 ゴルフは、些細(ささい)なケガやトラブルでできなくなるものです。例えば、指のマメが潰れたとか。プロ野球、日本ハムファイターズの大谷翔平投手も、マメを潰して、一時ピッチャーを"休業"し、バッターに専念していました。

 ゴルフを始めた頃、人差し指の先端にマメができ、しかも潰れて、見た目にも痛そうな状態......って、実際に痛かったのですが、その際は練習も含めて、2週間ほどゴルフを断念した経験があります。なぜかそういうときに限って、コンペの誘いやゴルフの仕事の依頼が舞い込んでくるんですよね......。

 思えば、25年にわたるゴルフ生活は、ケガやトラブル、持病との戦いでした。この華麗なる(?)戦歴をひも解き、みなさまに注意をうながしたいと思います。まずは、起こりやすい疾病(しっぺい)やケガをしたときの話から。

◆四十肩・五十肩
 これは、いきなりやってきます。朝起きたら、肩の関節が回らないというやつです。何もしなければ痛くはないのですが、冷蔵庫の扉を開けるとか、電車のつり革につかまるだけでも痛みが起こります。

 怖いのは、「これぐらいの痛みなら」とゴルフ場に行ってしまうこと。ドライバーを打つや、肩がもげそうなくらいの激痛が! マジで、のたうちまわりますよ。

 もちろん、そのひとホールで懲(こ)りて、その後は7割ぐらいのショットで、のらりくらりとラウンドして帰りましたが、その晩から症状はさらに悪化。ひと月以上、ゴルフができなくなりました。

 四十肩と五十肩は基本的に一緒です。そういう年齢になると、肩の関節炎が起こりやすくなり、安静にしていれば治ります。痛みが発症してから、2週間ほどが炎症期。この間は、それこそ安静にしているしかないです。そうすれば、炎症は程なく収まりますが、肩の可動域は狭まったままです。

 私は炎症期が終わってから、カイロプラクティックに数回通って、可動域を広げてもらいました。炎症期に肩を揉んだりするのは逆効果ですから、そこは要注意です。

 これまでに私は、四十肩を1回、五十肩を1回やっていますので、六十肩になるときが来るのかなぁ、と今から楽しみにしています......って、そういえば最近、肩があまり回らなくなってきていますが、これはどうなんでしょう?

◆外反母趾(がいはんぼし)
 自分が外反母趾になっていることは、案外気づかない方が多いみたいです。私もある日、右足の親指がぐんにゃり内側に曲がっていることを発見し、往年の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の、松田優作の殉職シーンのように「なんじゃこりゃ!」と叫んだものです。

 別に痛くないのですが、放っておくと、親指の曲がり方が次第にエスカレートしていきます。心配になって専門医に診てもらいましたが、「見事な外反母趾だ」と言われて、戸惑いを隠せませんでした。そのうえ、「酷い人は、手術もあるぞ」と脅かされて、呆然としたものです。

 そこで、正しい歩き方や、指の反りの戻し方などを教わり、すぐに実践しました。治りはしませんでしたが、進行が止まった感はあります。

 外反母趾で困ることは、歩いていて、足の裏が痛くなることです。足の裏は、足の指と踵(かかと)が支えているのですが、親指が潰れると、足の裏が地面についてしまうんですね。それが、痛いんです。

 一番痛いのは、裸足で床を歩くときです。だから、スリッパやサンダルは室内では欠かせません。 

 ゴルフで困るのは、なかなか合うサイズの靴がないことです。外反母趾は親指の第一関節が外に飛び出すので、幅を取ります。そのため、大きめの靴を買って、あとは靴ヒモで調整する作戦に出ます。けど、外反母趾ではない左の靴はブカブカですから、ラウンドの際は難儀しています。

 ちなみに、スキー靴とかは、もはや痛くて履けません。スノーボードも同様で、それで引退しました。

◆捻挫
 ズボンのポケットに手を突っ込んでティーグラウンドの上を歩いていたら、落差が30cmぐらいあるスロープでこけて、足首をひねって捻挫しました。こけた瞬間は、足が折れたと思ったぐらい痛かったです。

 でも、足を確認すると、骨は折れていないようでした。「じゃあ、捻挫だ」ということで、足を引きずりながらプレーを続行しました。残り2ホールぐらいだったので、何とかしのぎましたが、家に帰ってからが大変でした。足首が倍ぐらいに腫れてしまったんです。

 それからは、しばらく自宅療養。ゴルフどころではありませんでした。

◆突発性強襲便意
 これは、読んだままです。なにしろ、1ホールに2回、草むらで「大」をやらかしたことがあります。

 最初にティーグラウンドでもよおして、後方の草むらで1回。さらに、ティーショットを打ってセカンド地点まで行くと、なぜかまた便意が。仕方がなく、ボールを林に打ち込んだふりをして、その林の中で1回しました。1ホール2回はギネスブックに乗らないかなぁ〜って、そんなんで載ってどうする!? 

 まあ、何回してもいいんですが、いよいよ間に合わなくて、漏らすのだけは勘弁してほしい、今日この頃です。

 あと、他にもゴルフで苦しい思いをしたケガや病気はたくさんあります。不整脈、熱中症、高血圧、腱鞘炎(けんしょうえん)、肩凝りなどなど......。

 不整脈の際には、24時間の脈を測るホルダーを付けてラウンドしたことがあります。あれも、しんどかった......。不思議と今は、不整脈は治っていますけど。

 歳を取ると毎年、新手の疾病や症状が出てきて、ホント困ったちゃんです。飲むサプリも、年々増えていきますし。今後も、そういう疾病やケガと、仲よくつき合っていくしかないでしょう。

 とにもかくにも、ゴルフができていること、それ自体が何より幸せなんです。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa