By JD Hancock

オリジナルのゲームソフトからデータを吸い出し、それに手を加えて改造したものは「ハックロム」と呼ばれており、インターネット上で改造されたゲームが出回ることがあります。「Pokemon Prism(ポケモンプリズム)」というゲームは、任天堂から発売された「ポケットモンスター 金」を改造したゲームで、予告編まで作成されリリースに向けて盛り上がっていたのですが、リリース4日前になり任天堂から停止命令が下されるという結末を迎えました。

SP1616122114570.pdf - Google Drive

(PDF)https://drive.google.com/file/d/0B0f-_m_8on7BLVhuYnV2a2tuR3M/view

Pokémon ROM hack stopped by Nintendo four days before launch | Ars Technica

http://arstechnica.com/gaming/2016/12/nintendo-sends-cease-and-desist-notice-to-pokemon-rom-hacker/

Pokemon Prismは、ソフトウェアエンジニアのAdam Vierraさんが8年かけて作ったファンメイドの改造ゲームです。8年かけたということもあり、ローンチ前には1時間のプレイムービーを収録した予告編まで作られました。しかし、ローンチから4日前の2016年12月21日に、Vierraさんがローンチのキャンセルを発表し、任天堂の弁護士から送られてきた使用停止通告書を公開しました。



使用停止通告書によれば、ポケモンプリズムは1999年に発売された「ポケットモンスター金」のゲームデータを改造した新しいゲームであり、これがオーストラリアの複数の法律に抵触するとのこと。ポケモンプリズムが許可無く任天堂のIP(知的財産)を使用しているとの通告を受け、ポケモンプリズムはローンチをキャンセルすることになったというわけです。

ポケモンプリズムのプレイムービーを含めた予告編は以下のムービーから確認できます。

First Hour - Twitch Plays Pokémon Prism - YouTube

これまでにも任天堂はファンメイドのメトロイドのリメイク作品スーパーマリオ64のリメイク作品をデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反しているとして取り下げさせたことがありますが、今回のポケモンプリズムはハックロムの一種に当たりリメイク作品とは毛色が違います。任天堂は過去にハックロムに対して法的処置をとったことがなく、例えば日本語版しか発売されなかったゲーム「MOTHER3」をプレイしたい有志が作った英語字幕パッチファイルはハックロムの1種ですが、記事作成現時点でもダウンロード可能な状態です。ただし、ハックロムの録画したプレイムービーに関してはYouTubeから取り下げられたことが何度もあります。

ハックロムはオリジナルのロムなしでは動作しないパッチファイルで、いわゆるMODと似ていますが実質的には異なります。MODはオリジナルのゲームに新たな遊び方をくわえる拡張機能のようなもので、今回のポケモンプリズムのような違法性があるハックロムとは区別されています。アメリカに関して言うと、他のゲームのコンテンツを許可なく取り入れていない限り、MODに対して法的処置がなされることはあまりまりません。MODはゲームのコミュニティ文化の1つとして認められており、MODの開発者がオリジナルゲームの制作会社に雇用されたという話があるほどです。

なお、Vierraさんは「この状態を生んでしまった責任は私にあります。予告編を作らなければよかった」とコメントしています。