自然災害が多発する日本において、災害による死者をなくすというのは究極のテーマだ。このテーマに向けた各地域の取り組みは、同じ日本国内のみならず、近隣の中国をはじめとする大規模災害リスクを抱えた各国にとっても大いに参考になるものだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 自然災害が多発する日本において、災害による死者をなくすというのは究極のテーマだ。このテーマに向けた各地域の取り組みは、同じ日本国内のみならず、近隣の中国をはじめとする大規模災害リスクを抱えた各国にとっても大いに参考になるものだ。

 中国メディア・新華網は19日、台風や豪雨そして大津波の高いリスクを抱える高知県における、積極的な防災対策について紹介する記事を掲載した。記事はまず「われわれの究極的な目標は、災害における死亡ゼロだ」という尾崎正直・高知県知事の話を紹介したうえで、同県が防災減災予算を従来の200億円足らずから現在約400億円まで増やしていることを伝えた。そして、東日本大震災における大津波による甚大な被害をうけて避難所1445カ所、津波の危険が高く、天然の高台がない地域に専用の避難タワー115カ所の設置に着手、現時点で大半が完成した紹介している。

 一方で、防災減災対策をより強固にすればするほど財政を圧迫する状況を打破すべく、同県では日本国内で率先して防災産業チェーン構想を打ち出したとも説明。防災減災に関する製品を開発し、行政がこれらの製品の性能に対して認証を行い、日本全国さらには世界に広めることで利益をあげる仕組みであり、現在までに圧縮性の高い備蓄用毛布、アレルギー成分のない缶詰、品質保持期限が5年の飲料水など116アイテムが県によって認定されており、2015年には25億8000万円の利益を生み出したと伝えた。

 記事はまた、幼稚園や小中学校付近に津波避難タワーを設置、幼児でも自力で登れる構造や、バリアフリー設備を採用するなど、細かい部分にも抜かりなく取り組んでいることを紹介。学校では防災減災に関連した活動を盛んに実施するとともに、毎月少なくとも1回は津波避難訓練を行うことが規定されていること、今年11月末には国連主催の「『世界津波の日』高校生サミットin黒潮」を同県内で開催したこと、そして同県が6言語からなる外国人向け防災ハンドブックを用意し、宿泊施設で定期的に防災訓練を実施する事を求めていることなどについても触れた。

 いつ起こるか分からない自然災害の対策を施すのは非常に難しい。しかし、対策を講じなければ確実に甚大な被害が出ることになる。行政が率先し、社会や家庭、企業がこれに呼応し、一丸となって長期的に有効な防災減災に取り組む姿勢が必要だ。内陸部での大地震、沿岸部での豪雨や洪水、さらには黄砂やスモッグなど大きな災害を抱える中国においても、同じことが言えるのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)