自衛隊の貧乏な日常生活「駐屯地のトイレットペーパーは隊員が自腹で購入している」

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◆「何もかもが足らない! ボンビー自衛隊の実態! 01」

 2017年度予算案の防衛費は過去最大の5兆1000億円前後となる予定で、華々しい自衛隊の正面装備の数々が並び、自衛隊は世界第4位の軍事力と言われています。迫りくる日本周辺国の脅威に備えながら、北アフリカ・アデン湾の海賊対処や南スーダンへの派遣、東京オリンピックでのテロ対応のために最新鋭の装備を備えています。警戒監視やスクランブル対応のために最新鋭戦闘機のライセンス生産の契約もとりつけました。艦艇は大型化し、潜水艦は増え、離島防衛のための戦闘機、水陸両用車やオスプレイの導入、サイバーテロ対策や災害派遣、救助装備なども充実してきています。

 しかし、装備が増えたにもかかわらず、自衛隊の人員や整備や消耗品関係の予算はほとんど増えていません。大型化すれば燃料費や必要な乗組員数も増え、最新装備を導入すれば新たにそれらを運用する人員もプラスで必要となるはずです。PKFやテロ対策、災害派遣など対応すべき任務は増えているのに、実質的な人員も予算も増えていません。やるべき仕事が増え、装備品が大型化し、新装備を導入すれば、整備や補給や輸送など兵站にかかる費用は増えるはずなのに不思議ですよね。

 つまり自衛隊は装備品では一流ですが、兵站を極端に削ってGDP1%程度に抑えているいびつな軍隊なのです。

 結果、装備が立派でも動ける時間は極僅か、見た目はゴージャスでも中身は空っぽ、短時間で動けなくなるなど、継続しての戦闘能力の維持ができない軍隊なのです。武器弾薬燃料の総量は防衛秘密で具体的にどれだけの備蓄があるかは知る由もありませんが、自衛隊の消耗品の「欠乏」という病から、その重大な欠陥も透けて見えます。

 どれほど自衛隊が貧乏なのか、その驚愕の現状をミリオタ腐女子「梨恵華」がレポートしますね。

 まずは、赴任したての駐屯地に自衛官A君が外出先から帰ってきたときのお話です。彼はその朝から腹の調子がおかしく、我慢も限界に達していたのだそうです。

 基地に帰ったら、真っ直ぐにトイレに飛び込み、脂汗とひきつるような緊張からやっと解放されたのだそうです。ほっとしてトイレットペーパーを取ろうと手を伸ばしましたが、「あ、ここは駐屯地だった! ヤバい」と嫌な予感が彼の頭を横切りました。

 この自衛隊の駐屯地にはトイレットペーパーは常備されていません。自分のロッカーの中にはマイトイレットペーパーがあります。これほど慌てていなければそれを持参でトイレに来ましたが、今日は心身の余裕がなかったのです。

 バックの中にティッシュペーパーが入ってないか探したがありませんでした。

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 しかし、あるものが彼の手に触れました。汗っかきの彼は汗を拭くためにいつも常備しているフェイスシート「ギャツビー」でした。A君はツイッターでのケッツビー騒ぎを知っています。あの騒ぎが頭の中を駆け巡り、「まさか、俺のターンなのかよ」と眩暈がしたと後でその気持ちを語っていました。

 「氷冷アイスダウン! 爽快リフレッシュ ベタつき・汚れ ゴシゴシふきとる」とパッケージに大きく書いてありました。さらに、「メントール成分高配合で、長時間持続してクールな使用感」と説明されています。どの言葉も彼には「やめてくれ!」というキャッチコピーでしたが、いつまでもトイレの中に籠っているわけにはいきません。ほかに方法はどこにもなかったのです。

 自衛官A君は覚悟をきめて1枚を取り出しました。「ぐっ」と思わず声がでたと言っていました。

 その一日は人には言えない爽快感を味わったようです。「だが、想像よりはましだった。」と自嘲気味に説明もしていました。

 この喜悲劇の裏には政府の極端な節約と貧乏すぎる自衛隊の実態が見えてきます。

 日本の官公庁の予算は、財務省の作る予算の天井、シーリングによって前年度より必要でもその天井を超えないように管理されています。自衛隊の任務は次々と多様化しましたが、その予算は10年前と変わらない水準で正面装備にお金をかけるが、それを動かす補給や兵站を犠牲にして成り立っているのは明らかです。

 主要な任務、日本の領海領土を守ることを主目的とする自衛隊では、それ以外の予算を徹底的に削っています。トイレットペーパーがないのもその1つです。

 トイレットペーパーなどの消耗品の予算は、備品調達予算と呼ばれています。備品調達予算では、トイレットペーパーは事前に1人1回45cmから50cmで計算されています。でも、そんな定量で多くの人が使う消耗品が済むはずがないですよね。人によって使い方は違うし、物差しをもってトイレに入る人はいませんもん。

 足りない分はどうするんでしょうか? 比較的予算が潤沢な空自以外はペーパーに困っています。陸自は隊員が各々マイトイレットペーパーを持ち歩いていることも多いようです。海上自衛隊では最初から足りないのだから、隊員が先にみんなで個人からお金を集めてトイレ募金をプールして、トイレットペーパーを買って備蓄補充するシステムをつくっています。見かけ上ペーパーはなくならないが自腹であることに変わりはありません。

 ほかの官公庁でトイレットペーパー自腹現象を見たことはありませんから、防衛省の予算が最も(必要でも)削られ抑えられているってことになります。

「自衛官は軍人としての威厳と誇りを持つべきだと思います。せめてトイレットペーパーくらいは自由に使える予算に増やしてあげて〜」と祈っているのです。〈文/梨恵華〉

【梨恵華】
ミリオタ腐女子。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰