未来を幸せに。世界の新しい暮らしを求めて旅する女優

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「お正月映画」という言葉があるくらい、年末年始は、たくさんの映画が公開になってお休みに遠出しない方にとっては、楽しみのひとつ。大作映画もありますが、おすすめしたいのが12月23日から公開になるドキュメンタリー『TOMORROW パーマネントライフを探して』です。
フランスで100万人が観た、大ヒット作

©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS

2012年、学術雑誌「ネイチャー」に「私たちが今のライフスタイルを続ければ、人類は滅亡する」という論文が発表されました。このことがきっかけで、我が子のため、未来の子どもたちのため「なんとかしたい」と立ち上がったのが、当時、妊娠中だったフランス人女優メラニー・ロランです。『イングロリアス・バスターズ』『人生はビギナーズ』などの映画に出演したり、女性誌で表紙を飾ったりする大人気の女優。そのメラニー自身が、活動家・ジャーナリストの友人のシリル・ディオンと一緒に、メガホンを取り、未来を幸せに暮らすライフスタイルを求めて旅に出る様子を追ったのがこの作品です。
世界中の新しい暮らしをする人たちに会いに
映画では、「農業」「エネルギー」「経済」「民主主義」「教育」の5つの分野に分かれていて、それぞれの分野で世界中の新しい暮らしをはじめている人たちに会いに行きます。

©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS

例えば、イギリスマンチェスター近郊にある人口1万4千人のトッドモーデンという街。この街では、花壇や公共の土地に作物を植え、市民たちが共有。何百種類もの果実の木、豊富な種類の大量の野菜を植え、園芸農業センターを設立し、農民たちの移住を受け入れています。現在では、82%が地元の食材を購入。2018年までに100%を自給自足するという目標に近づいています。

©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS

また、教育に関しては、国際的な学習達成度調査で世界でもっとも優秀な成績を収めたフィンランドへ向かい、その教育システムについて話を聞いていくのですが小学生には全国的な共通テストがなかったり、知識だけの教育ではなく人として何が必要なのか、子どもたちの将来を思った学びの現場を知ることができます。

©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS

その他にもアイスランド、デンマークなど再生可能エネルギー100%を目指す人々が登場したり、地域通貨を創設したイギリスのトットネス、すべてのゴミをリサイクル活用させるプロジェクトを推進中のアメリカ・サンフランシスコなど新しい暮らし方にフォーカスしていきます。
ポップで楽しいドキュメンタリー
いままでにも、"危機を感じて"カメラを手にしたドキュメンタリーは多々ありますがメッセージ性が強すぎたり、煽るような作品も多かったりします。でもこの映画は、世界にはこんな暮らしもあるよ! という提案型になっているので、観ていてとてもワクワクするんです。なによりも学者でもない、ひとりの女性、母親としてのメラ二ー・ローランの目線で作られているので、とても見やすく、一緒に旅しているような気分にもなります。
スクリーンや雑誌で着飾っているメラニーも美しいですが、スッピンで裏方のメラニーもナチュラルで本当にキュート。また、手書きの図解やイラストもかわいいですし、本作の主役でもある、旅先で出会った人たちの生き生きとして笑顔が印象的で、誰ひとりとして無理していなんです。だから「この手のドキュメンタリーって興味はあるんだけど、眠くなってしまうんだよね。」という人こそ観て欲しいです。

いまのわたしたちの生活は、なかなかすぐには変えることができないですが、世界にはこんな暮らしをしている人がいるんだ、私たちも取入れることができるかもしれない。そんな風に明るい未来に向かって、その生活が心から楽しそう! ということがわかる作品ですよ。

『TOMORROW パーマネントライフを探して』
公開日:2016年12月23日 渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:シリル・ディオン、メラニー・ロラン『イングロリアス・バスターズ』『オーケストラ! 』
出演:シリル・ディオン、メラニー・ロラン、ロブ・ホプキンス、ヴァンダナ・シヴァ、ヤン・ゲールほか
第41回 セザール賞ベストドキュメンタリー賞受賞