――運営管理機関の選び方とは?

 iDeCoは金融機関によって口座管理手数料が異なり、運用商品のリストも違うので、まずは、運営管理機関を選ぶことが重要です。長きにわたって資産形成の手段として使うのですから、口座管理手数料は低い方がいい。また、長い投資になるからこそ、商品の選択肢は多い方がいい。

 長い期間の間には運用環境は様々に変わります。ここ数年は成績が悪い新興国の株式や債券ですが、時代が変われば主役になるかもしれません。金の価格も下がっていますが、リーマンショックのような世界的なリスクオフ局面では、金が値上がりするということも経験しました。今は、選ばなくても選択肢としてある方がいいのです。

 そこで、運営管理機関の口座管理手数料や運用商品のリストを調べ、ランキングをして、オススメできる金融機関をズバリ選び出しました。そして、個々の金融機関の商品リストを使って、50歳までの方の商品選択、50歳以降の商品選択について、オススメの商品を具体的に示しています。iDeCoについては類書が多く出ていますが、ここまで具体的な事例を示した本はないといえるくらい、かなり実践的な内容を盛り込みました。

 アメリカでトランプ氏が次期大統領に決まってから、市場のムードが変わりました。私は、これを「ニューパラダイム」と呼んでいます。米国で401k(確定拠出年金)を通じた資産運用が広く浸透した要因は、「資産運用における成功体験」といわれていますが、2017年1月からのiDeCo新規加入者は、成功体験が得やすくなるかもしれません。1月からのiDeCoに多くの方々が注目してくださるよう願っています。