なんと国内累計販売台数500万台! 偉大なる軽自動車スズキ・アルトの歴史を振り返る

写真拡大 (全11枚)

500万台は派生車種となるアルトラパンを除いた数字!

日本独自の規格である軽自動車。その軽自動車を語る上で外すことができないといっても過言ではないのが、スズキが1979年5月に発売を開始させたアルトだろう。

そんなアルトが12月12日に国内累計販売台数500万台を達成したというニュースが飛び込んできた。しかも、この数字は派生車種となるアルトラパンを除いた数字というから驚きだ。今回はそんなスズキの代表的な車種であるアルトの歴史を振り返ってみよう。

初代が登場したのは前述のとおり1979年5月のこと。当時の軽自動車には「物品税」として15%を上回る高額な課税がなされていたのだが、4ナンバー登録となる商用車はこの物品税が非課税となっていた。元々軽自動車は1人〜2人で使用することがほとんどだったことを逆手に取ったスズキは、すべて4ナンバー登録となる「軽ボンネットバン」と呼ばれるジャンルを開拓。それがアルトだったのだ。物品税が非課税な上に47万円という驚異的な低価格(当時の軽乗用車は60万円程度だった)で登場したアルトは瞬く間に大ヒット。他社も追随し、軽自動車の需要が一気に高まったのであった。

続いて紹介したいのが、スポーツグレードの「アルトワークス」が登場した2代目だ。550ccながらツインカムを持ち、インタークーラー付ターボで武装したF5Aエンジンはリッター100馬力オーバーの64馬力を発生。 この時の数値が現在まで続く軽自動車の馬力自主規制値の基となっている。また、駆動方式も前輪駆動に加え、ビスカスカップリング式のフルタイム4WDを用意。下手なスポーツカー顔負けのポテンシャルをもっていた。

軽自動車試乗に巻き起こった熾烈な燃費競争も勝ち抜いた

3代目のアルトには、リヤセクションを拡大し荷室にしたフルゴネットタイプの「ハッスル」が追加。欧州ではルノー・エクスプレスのように比較的ポピュラーなものであったが、日本では受け入れられずこの代限りとなってしまった。しかし、現在軽自動車は室内空間を広くとるために全高が高くなっているため、時代が時代ならばもう少し評価されていたモデルかもしれない。

5代目アルトは軽自動車の規格が拡大されたことで従来よりもひとまわり大きなサイズで登場。クラシカルなルックスを持つ軽自動車がブームだったこともあり、通常グレードとは異なるデザインを持つ「アルトC」が登場した一方で、長らくスポーツグレードとして君臨していたワークスがマイナーチェンジのタイミングで消滅。これにより、アルトのスポーツグレードはしばらく空席の時代が続いた。

先代となる7代目は燃費性能を追求した「アルトエコ」が登場。ライバルのダイハツ・ミライースとの燃費競走が勃発し、最終的には35.0km/Lというハイブリッドカー並みのカタログ燃費数値となっていた。

そして2014年12月に登場したのが、現行モデルとなる8代目アルトだ。日々装備が追加され重くなる一方だった軽自動車にあって、現行アルトは600kg台前半〜という驚異的な軽量ボディを持って登場。カタログ燃費も最高で37.0km/Lと、アルトエコよりもさらに向上しているのは、この軽量化による部分も大きいだろう。さらに、しばらく姿を消していたホットモデルとしてターボで武装した「ターボRS」、そしておよそ15年ぶりに「ワークス」も復活するなど、熱い走りを求めるユーザーには嬉しい出来事もあった。 仕事のパートナーから日常の足、そしてエコな走りからホットモデルまで幅広い層をカバーするアルト。今後もアルトの活躍に注目したいところだ。

(文:小鮒康一)