経営コンサルの「週1で人脈深堀り」スケジュール管理法

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年中忙しくて、人と知り合う機会が少ないと嘆いているビジネスマンは多い。だが、もし人脈を広げたいと考えているのなら、スケジュールを何とかやり繰りして、人と会うための時間を確保したほうがいい。それを自ら習慣づけているのが、経営コンサルタントの戸塚隆将さんだ。戸塚さんは、ふだん仕事を一緒にしていない人と、週1回は会うように心がけている。

「いつも仕事関係の人とばかり付き合っていると、アイデアが行き詰まってきます。会うのなら、そのときに抱えている案件とはなるべく異業種の人がいい。そうすると視野が広がって、新しい発想が浮かんだりします。財務の問題を考えているときは、公認会計士などのプロよりもマーケティングといった感じです」

そんな戸塚さんが外部の人と会う場合、ランチや飲み会であっても、仕事のアポイントメントと同列と割り切って、2〜3週間先でも日時をフィックスし、スケジュールに組み込んでしまう。後で仕事のスケジューリングがあってもブロックして、絶対に予定は動かさない。

「そうしないと、次々に仕事のアポイントメントが割り込んでくるので、いつまで経っても、人と会えません」と戸塚さんは指摘する。また“遊びの時間”の先約があれば、ほかの時間でルーティンの仕事を片付けなければならず、生産性アップという副次的効果も期待できるのだ。この辺がピケティのいう成果の出せる“r型人間”と、そうではない“g型人間”の違いなのだろう。

「ただし、外部の人とのアポは計画的なものではありません。たまたま電話をした人に、ランチや飲み会に行こうと軽く誘う感じです。利害はあまり考えずに、そうした“縁”を活かします。お互いが負担に感じない、肩肘張らない関係のほうが、結局は長続きするようです」

■上司との一杯も貴重な人脈づくり

戸塚さんがいま手がけている事業に「CLUB900」というビジネス英語研修プログラムの普及がある。留学先だったハーバード・ビジネス・スクールのケーススタディ教材を応用したものなのだが、「この事業を始めるときも、友人たちはプログラムの『ここがいい』『ここが悪い』と、忌憚なく意見をいってくれて、とても助かりました。友人の有り難さが身にしみてわかりました」と振り返る。

CLUB900の教室には、さまざまな企業のビジネスマンが参加していて、「職場とは別の空間のなかで、全員が共通の目的に向かって取り組むので、お互いが親密になりやすい環境です。仕事以外の人脈を広げるのにも役立っています」と戸塚さんは話す。

さらに戸塚さんは、どんな出会いでも大切にすべきだという。戸塚さんは、ゴールドマン・サックスやマッキンゼー&カンパニーでの勤務経験もあるが、そのときの上司や先輩、同僚とは、いまだに交流があるそうだ。

「お酒が好きなこともあってサラリーマン時代には、上司や先輩に誘われると進んで飲みにいっていました。だから、いまでも個人的な付き合いがあるんでしょうね。酒の席では、職場では話せないことも話せたりするので、人間関係はより深まります」

会社の上司や先輩は、常に目の前にいる存在であり、もしかして“灯台もと暗し”になってはいないだろうか。「ノミュニケーション」を機に社内の人脈を深掘りするのも、貴重な人脈づくりなのだ。

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経営コンサルタント 戸塚隆将
1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。ゴールドマン・サックス勤務を経て、ハーバード経営大学院でMBAを取得。マッキンゼー&カンパニー勤務の後、2007年にシーネクスト・パートナーズを設立し社長に就任。グローバル事業開発などを支援している。

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(ジャーナリスト 野澤 正毅 野澤正毅=文 南雲一男、宇佐見利明、加々美義人=撮影)