新時代の副業は「サイド・ハッスル」、収入より生き方の問題か

写真拡大

「サイド・ハッスル」とは何か?オンライン辞書サイトのアーバン・ディクショナリーは、こう定義している──主な仕事ではなく、それ以外に現金収入を得るためのサイドジョブ(副業)。例えば、週末に出演するライブハウスなどでのギグや、ライフ・コーチングのクラスを担当することなどを指すのかもしれない。

米国のミレニアル世代の中には、副業に力を入れる世の中の流れに同調しないことで、アイデンティティー・クライシス(自己喪失)に陥る人も出てくるかもしれない。彼らは2008年に起きた金融危機によって生じた収入と支出の落差を埋めるために、新たな副業の在り方を確立してきた世代だ。

主な仕事以外にもパートタイムで働くというのは、不完全雇用の世代である彼らに特有のことではない。だが、従来の「副業」をより的を射た呼び方に名前を変えたのは彼らだ。ベビーブーマー世代も若いころからずっと、「ハッスル(頑張る)」してきた。だが、退屈で大変な2番目、3番目の仕事として、単に「副業」と呼んできた。

目的は収入以外にも

ビジネスニュースサイト「クオーツ(Quartz)」には、サイド・ハッスルについて次のように説明する記事が掲載されている。

「お金以上にも、何か価値のあるものを与えてくれる。人生に対して感じる行き詰まりや退屈さ、裏切られたような気持ちに対する防衛策だ。ミレニアル世代が副業にのめり込む本当の理由は、こうした心理的な利益なのだ・・・年齢に関わらず、読者の皆さんもこうした副業を持ちたいと考えるかもしれない」

「”25歳くらいの若者が人生の閉塞感や精彩が失われることについて、何を知っているというのだ?”と考える人もいるかもしれない。言い方を変えよう。”何でもなりたいものになれる”といって育てられ、そうした価値観を持った世代の人たちが、過去何年もなかったような最悪の求人市場に投げ込まれたら、どうなると思うだろうか」

重要なのはこの点だ。多くの人たちの夢が打ち砕かれたのだ。さらにもう一つ、この世代は圧倒されるような額の学生ローンという借金を背負っているという事実もある。

団塊世代の「ハッスル」は?

退職後の生活に対する約束がどうなったか、考えてみてほしい。かつては、引退したら行く所はゴルフ場かプール、ビーチ、と言われていた。だが、団塊世代の多くが、こうした夢をくじかれた。米政府説明責任局(GAO)が2015年9月に公表した報告書によれば、55〜64歳の米国人の退職後に向けた蓄えの平均は約10万4,000ドル(約1,219万円)だ。

退職後の人生が30年、40年あるとすれば、決して多い金額ではない。団塊の世代が直面する退職後の蓄えの不足と年金受給額・社会保障給付額の減少は、パートタイムの仕事を求める彼らを再び求人市場へと押し出している。サイド・ハッスルはこの世代の多くにとって、避けられない人生の現実になっている。

米求人サイト「キャリア・ビルダー」は、「60歳以上の労働者の60%は・・・退職後に新たな仕事を探すだろう…雇用主の多くは、より熟練した技術を習得している労働者を採用できると期待している」と指摘している。

誰でも始められる

副業について考え、決めるのに年齢は関係ない。多額の初期投資を行わなくても、自分の創造力を生かして新たな収入を得る方法を考えることができるのだ。それが、自分で何を副業とするか決めることの長所だ。趣味が本業になるか、試してみるにも最適のタイミングだ。

追加収入を得るために、エアビーアンドビーやウーバーで稼ぐのもいい。裁縫や編み物、パン作り、楽器の演奏やスポーツなど、何か特技があれば、それを地域の人たちに教えることもできるだろう。5〜10人の生徒を集め、1時間20ドルほどの料金でクラスを開催すれば、悪くない仕事になる。

米国のミレニアル世代は懸命に働いている。その他の世代も同じだ。あなたも考え、始めてみてはどうだろう。