(写真提供=SPORTS KOREA)

写真拡大

韓国のソウル市が安重根(アン・ジュングン)を称える「アジア平和賞」の制定を推進しているという。

賞金は10万ドル。国家、人種、宗教、理念を超えて、アジアの平和に功績を残した個人や団体に授与される予定だ。今回制定が進んでいる「アジア平和賞」の根底には、安重根の「東洋平和論」の精神があるという。

最近の韓国若者は知らない?

まさに“安重根平和賞”といえるわけだが、そもそも安重根は韓国で絶大な支持を受ける英雄だ。

安重根は独立運動家として1909年10月26日、日本の初代内閣総理大臣・伊藤博文をハルビン駅で銃殺。韓国では「抗日精神のシンボル」、日本では「テロリスト」と評価が大きく分かれている。

韓国の歴史上の人物としてトップクラスに入る知名度だと思われるが、最近の若者たちにはそれほどではないのかもしれない。最近も、とあるK-POPアイドルが安重根の顔写真を見て名前を答えることができず、大炎上したこともあった。
(関連記事:安重根や李舜臣を知らない!? 「歴史を忘れたアイドルグループ」AOAが大炎上

そんな安重根の「東洋平和論」の趣旨は、以下のように解説されている。

「韓日中3国がそれぞれ独立を維持しつつ、相互扶助の道を探り、それを通じて西勢東漸の西欧帝国主義を防ぐとき、東洋平和を実現できる」(『中央日報』)

欧州連合(EU)の構想に近い部分もあるため、安重根の研究家らは現在も高く評価している。

“安重根平和賞”と呼ぶにふさわしい「アジア平和賞」は、2018年からの授与が検討されており、安重根が処刑された3月26日か、伊藤を銃殺した10月26日に授賞を行うそうだ。

ちなみに、韓国にはソウル平和賞文化財団の「ソウル平和賞」というものがある。

「ソウル平和賞」は、世界平和に貢献した個人や団体に隔年で授与されており、賞金は20万ドルだ。

2012年は潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、2014年はドイツのアンゲラ・メルケル首相が「ソウル平和賞」を受賞している。

そのため一部では、“安重根平和賞”を新たに制定する必要があるのかという声も出ている。

韓国ネット民の反応もさまざまだ。

「安義士の東洋平和論を称える賞の制定は誇らしい。アジアが繁栄する唯一の道だ」
「今の韓国が世界を相手に平和賞を云々する立場か?」
「既存のソウル平和賞があるのに重複する賞を作って予算を浪費するなんて、(ソウル市長の)パク・ウォンスン自身が業績を残そうとしているだけにしか見えない…」
「第1回の受賞者として全斗煥(韓国第11代大統領)将軍を推薦する」

“安重根平和賞”が制定されたら、誰が受賞することになるのか。今から興味は尽きない。

(文=S-KOREA編集部)