18日、2012年に日本車に乗っていて西安の反日デモに遭遇した男性が、若者から暴行を加えられたため半身不随となり、4年たった今も入院生活を強いられている。

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2016年12月18日、法制晩報によると、12年9月に陝西省西安市で起きた反日デモで、1年前に買ったばかりの日本車・カローラに乗っていた李建利(リー・ジエンリー)さんが偶然デモに遭遇し、デモに参加していた蔡洋(ツァイ・ヤン)から暴行を受け、半身不随となる事件が起きたが、李さんは今も入院生活を強いられている。

李さんは80年代から新興電機メーカーに勤め、現場からのたたき上げで販売部門の幹部職員にまでなった。退職後はタクシー運転手や中古車仲介業を経て、中古車販売店を立ち上げた。健康に気を遣い、被害に遭うまでは毎日必ず夫婦でスポーツジムに通っていたという。

しかし、事件後、スポーツジムの会員証は返却せざるを得なくなった。バイクのU字ロックで殴打され、数十針も縫った頭部は今もゆがみ、痛々しい傷跡が残る。後遺症で右半身の機能と言語能力を失い、入院生活はすでに1542日にもおよぶ。夫妻は今でも襲撃された時の悪夢に悩まされ、深夜になっても眠れない日々が続いている。「事件が起きるまで、不眠がどういうものなのかも知らなかった」という。

暴行を働いた蔡洋は当時21歳。河南省の貧困家庭に育ち、小学5年で学校をやめ、働き出した。14歳の時にはレンガを運ぶ仕事をしていたが、日給はわずか18元(約300円)。インターネットだけが楽しみだった。出稼ぎに出れば日当200元(約3400円)もらえると聞いて西安に移り住んだが、親しい人もいない孤独な生活を送っており、ここでも楽しみはインターネットのみ。仕事がない日は反日ドラマを見てストレスを解消していたという。

捜査の末、逮捕された蔡洋は、2013年に懲役10年の刑が確定した。北京大学の日中関係専門家は、事件は愛国心の名を借りた犯罪行為で、極端な愛国心が被害者と加害者を生み出してしまったと指摘。事件をきっかけに、「愛国心とは何か」が議論されており、関係者からは、「愛国心の本質は、愛情であり、怨讐(おんしゅう)ではない」との意見が出ている。

なお、加害者の蔡洋には賠償能力がなく、李さんには今年8月に政府の関係部門から救済金として52万元(約884万円)が支払われた。入院費も政府から支払われているが、夫婦は「夢も希望もない日々を送っている」と話している。(翻訳・編集/岡田)