欧州宇宙機関(ESA)によって、地球の内側にはジェット噴流が存在していて、プレート移動の何十万倍もの速度で動いていることが分かりました。

An accelerating high-latitude jet in Earth's core : Nature Geoscience : Nature Research

http://www.nature.com/ngeo/journal/vaop/ncurrent/full/ngeo2859.html



There’s a jet stream in our core / Swarm / Observing the Earth / Our Activities / ESA

http://www.esa.int/Our_Activities/Observing_the_Earth/Swarm/There_s_a_jet_stream_in_our_core

ESAは2013年11月に「SWARM」という地磁気観測衛星3機を打ち上げて、地球の磁場を高精度に観測・分析してきました。

SWARMによる観測のイメージはこんな感じ。

Space in Videos - 2012 - 09 - Swarm: a new constellation in the sky

「我々は地球のコアのことを太陽のことよりわかっていません。それは3000kmもの岩盤に遮られているせいです」と語るのはデンマーク工科大学のクリス・フィンレイ氏。磁場の測定は、このよくわからないコアのことを深く知ることのできる数少ない方法の1つであり、今回はその測定によって、コアにジェット噴流が存在することが初めてわかりました。



by ESA

地球の磁場の多くは、地球内部で過熱状態で渦巻いている液状の「鉄の海」によって生み出されていると考えられています。この「鉄の海」が「コア」と呼ばれる部分で、コアは内側が「内核」、外側が「外核」と呼ばれます。核の外側には固い岩石で構成される「マントル(上部マントル・下部マントル)」と「地殻」があります。プレートテクトニクスで用いられる「プレート」は上部マントルの固い部分と地殻を合わせたもので、厚さは100kmほど。



by ESA / AOES Medialab

論文の第一著者であるリーズ大学のフィル・リバモア氏によると、SWARMが観測したジェット噴流は年40km以上というペースで移動しているとのこと。これは一般的な外核の動きの3倍、プレートの動きの数十万倍に相当します。

ケベック・ア・リムースキ大学のGuillaume St-Onge氏らによる論文の中で用いられた図で示された、青い円筒形の領域は「タンジェントシリンダー」と呼ばれています。コア内の流体が両側からタンジェントシリンダーに向かって移動することで流体が収束し、ジェット噴流が生まれているとのこと。なお、何が流体を動かしているのかは不明ですが、浮力かコア内の磁場の変化ではないかと予想されています。



by Guillaume St-Onge,Joseph Stoner

SWARMミッションのマネージャーであるRune Floberghagen氏によると、驚くべきことに磁場は常に変化していて、それによってジェット噴流の方向も変化しているとのこと。こうした事実はSWARMによって初めて明かされた「深地球」の発見であり、Floberghagen氏は次に一体何がわかるのかが楽しみだと語っています。