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By Diabetes Care

病気やケガを抱えて入院した患者が疾病と戦う時、男性の医師によって処置やケアが行われるよりも、女性の医師による手当てを受けたほうがその後の治療や生存率によい結果が表れていることがハーバード大学の研究で明らかになりました。

Female Doctors Beat Male Counterparts In Caring For The Elderly : Shots - Health News : NPR

http://www.npr.org/sections/health-shots/2016/12/19/506144346/patients-cared-for-by-female-doctors-fare-better-than-those-treated-by-men

この結果はハーバード T.H.チャン公衆衛生大学院のツガワ・ユースケ博士らによる研究で明らかになったものです。研究チームでは、同じ病院に入院している65歳以上の男女の患者の死亡率と再入院率を調査し、「男性医師による処置を受けた人」と「女性医師による処置を受けた人」のグループに分けて比較しました。

すると結果は、両者の間で顕著な差が見られたとのこと。以下のグラフはその結果を示すもので、濃いバーが女性医師による処置を、薄いバーが男性医師による処置を受けたグループとなっています。左のグラフは30日後の死亡率を、右は30日後の再入院率を示しているのですが、いずれの項目でも濃いバー(=女性医師の処置を受けたグループ)のほうが低いという結果が出ています。



この結果について論文では、「女性医師のほうが治療の際の臨床ガイドラインを順守し、エビデンス(根拠)に基づいた処置を行う傾向にある。しかし、なぜこのような差が生じているかについての理由は不明である」としています。さらに論文では、「仮に全ての患者が女性医師による処置を受けると、年間の死亡者数が3万2000人減少する」という試算も行っており、この背景となる根拠を明らかにすることで医療の質が改善される可能性も秘めていると言えそう。



By Walt Stoneburner

多くの人がなんとなく理解できそうな結果とも言えるわけですが、この結果については現場の医師からも「やっぱり」といった反応が出ているとのこと。論文の上級執筆者であるアシシュ・ジャー医師は、同じく医師である自分の妻にこの結果を話したのですが、反論に遭うと思っていたところ、逆に「当たり前でしょ!ほかに何を予想してたわけ!?」という返事が返ってきたとのこと。どうやら医療に従事する人の中でも、この見方は自然と受け入れられるものと言えるようです。

この理由については、女性が持つ共感性の強さや、心の知能指数、いわゆる「EQ」の高さにあるという見方もありますが、いずれにしてもそれを裏付ける根拠に乏しい状況。研究に参加した患者からは「男性医師は話しを聞いてくれない」という感想も挙がっていたとのことですが、そういった感情面に与える影響の違いが、治療の効果にも現れているのかもしれません。



By ILO in Asia and the Pacific

医学論文サイト「JAMA Internal Medicine」に掲載された論文は以下のリンクから閲覧することができます。

Outcomes of Hospitalized Medicare Beneficiaries Treated by Male vs Female Physicians | Health Care Economics, Insurance, Payment | JAMA Internal Medicine | The JAMA Network

http://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2593255