連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第12週「やさしい贈り物」第67回 12月19日(月)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:鈴木航


67話はこんな話


すみれ(芳根京子)はキアリスを辞める前に、明美(谷村美月)がベビー相談室で教えていたことを一冊にまとめることにする。

「まかさすみれがほんとうにここから旅立つ日が来るなんて」(語り/菅野美穂)
なんだこの思わせぶりなナレーションは!
68話に引っ張る気満々の、67回のラストシーン。
67話のみならず、65話でも「このままではいけないそう思うすみれでしたが」と「でした」と言い切らず「が」で終えて次回に興味を引っ張っている。つくり手の意識が確実に変化しているのを感じる。

子育ての道しるべ


仕事を辞めると聞いてさくら(粟野咲莉)は大喜び。
悦子様(滝裕可里)たち売り子たちは「ここまで必死でやってきたのに・・・と人生ほんまにわからないものやわ・・・」とびっくり。

引き継ぎをはじめるすみれは、明美のベビー相談室の話をまとめて配ったらどうかなと思いつく。
「ええね」 何かあるとすぐこう肯定するキアリス一同。素直である。
ちょうどその頃、男会3人・勝二(田中要次)、昭一(平岡祐太)、紀夫(永山絢斗)は週1でキアリスに来て経理をみている。だんだんと片手間の作業が負担になってきていたところ、明美のベビー相談室をまとめて配布するアイデアを聞いて、心配顔。
明美(谷村美月)は「心が狭いんですね。なんでもかんでも商売につなげなくても・・・」と手厳しい。

「真似してもらってええんです」と広い心でつくったまとめたものは「キアリス・ガイド」と名付けられた。
「べっぴんさん」世界では、現実世界の世界的ベストセラー「スポック博士の育児書」が発売される1946年よりも20年以上早く市井の女たちによる、明美による欧米の方法論も取り入れた育児書が誕生したことになる。「スポック博士の育児書」が「とと姉ちゃん」ですっかりおなじみになった“暮らしの手帖社”から翻訳出版されるのは1966年だ。

男か女か問題


ちょうどいいタイミングで、キアリス・ガイドが役に立ちそうなゆり(蓮佛美沙子)
赤ちゃんができたと、すみれたちにも報告する。
男か女かどっちがいい、というのはよくある話。潔(高良健吾)は「どっちかいうたら男の子がいい」と言う。
「元気やったらどっちでもええわ」と断りつつも「男だったら坂東営業部を支えないと」と未だ生まれてもない子供の進路を早くも決めてしまっている。さくらの婿を支えるというシナリオまで・・・
父の代からずっと坂東営業所に尽すことが刷り込まれてしまっている潔に対して、ゆりの「・・・」の反応が気になる!

男会は、なんでもかんでも商売に結びつけ、潔はなんでもなんでもお家(坂東営業所)に忠義を尽くすことに結びつけ・・・男たちの心の狭さがやんわり皮肉られていた。
(木俣冬)