米アパレル業界、直面する深刻な問題は「サイズ」

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筆者の同僚には、13歳の娘がいる。身長は178儷瓩でやせ形、うらやましがられる体形だ。だが、母親によればその年齢にしてその身長では、洋服選びがとても難しい。子ども服はすでに1年以上前からサイズが合わないし、若い女性向けの服も、「丈が短すぎて」娘にふさわしいとは思えないというのだ。

アパレルメーカーの大半は、消費者の好みに合った衣類を提供していない──そう考える女性は多い。彼女たちからすれば、実店舗でもネットショップでも、再び客が胸を躍らせながら買い物ができる店にするにはどうすべきか、小売業者はいまだに理解していない。

例えば、「プラスサイズの衣料品の売り上げは伸びているものの、デザイナーや小売業者が常にこれら商品の対象顧客となる消費者の要望に応えてきたわけではない」とブルームバーグは伝えている。

また、米紙ワシントン・ポストによれば、女性服の生産から販売までの全ての段階に関わる主な企業はいずれも、売上高が低迷または減少している。理由はただ単純に、各社が女性消費者の心に響く商品を提供していないことだ。

こうした点に、アパレルまたはファッション業界に投資するほとんどの人たちが目を向けていない。デザインやスタイル、財務状況の改善に集中する一方で、製品開発のプロセスに欠くことのできないこの部分を無視している。サイズの問題が今後、女性服の売上高にどのように影響を及ぼしていくのか理解しようとすることは、投資家にとって価値のあることだ。

サイズは誰が決めた?

女性の衣類のサイズは、どのように決められたのだろうか?小売業者が消費者らに既成のサイズを押し付けようとすることによって、失っているのは何だろうか?

米国で初めてサイズ基準が設けられたのは、1940年代。それは消費者のためではなく、メーカー側の都合のためだった。サイズ基準を設けることで、年間何百万ドルというコストを削減することができたのだ。まずは女性約1万5,000人を対象に採寸を行ったが、データが多すぎて適切にまとめることができなかった。

その後、1958年には空軍に勤務していた女性たちを対象に採寸が行われた。8〜38までのサイズを規定したが、一般的な女性たちの体形を適切に反映したものにならなかったことは明らかだ。

そして、米国人の平均体重は徐々に増加。サイズ基準は大きく矛盾したものになっていった。商務省は1983年、省として基準を定めることをやめてしまった。このシステムは間違いなく破綻している。

スキニージーンズはいらない

小売業界がプラスサイズの消費者を受け入れない傾向として象徴的なのが、スキニージーンズの存在だ。米国人女性の平均サイズは上がり続け、16(日本の3Lに相当)程度となっている。それなのになぜメーカーの多くが、かたくなにスキニーやスリムカットを売ろうとするのだろうか。

筆者は数えきれないほどのデザイナーやメーカーが繰り返し、同じ言葉を発するのを聞いてきた。彼らがそう言うのを何度聞いたか、思い出すこともできない。

「私が気に入る服をつくっている」「ただ消費者たちが分かっていないのだ」

彼らがこう言うのは仕方がないことだとしても、消費者が好み、さらに実際に買ってくれる製品を作るという点では疑問が残る。

だが、結局のところ消費者はよく理解している。自分たちの財布を使って(そのひもを緩めないことでこうしたメーカーに対し)、反対票を投じているのだ。