男子児童に手袋と帽子をプレゼントした運転手(出典:https://www.facebook.com/KennewickSchoolDistrict)

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戦争や犯罪などの暴力が絶えない世の中は人の心を悲しく惨めにしてしまう。しかし、心をホッと和ませてくれる出来事も確かに存在する。アメリカ北東部ではこの時期、気温が氷点下になり雪に覆われるところも少なくない。そんな中、あるスクールバス運転手の心温まる行いに人々が感動の声をあげている。

米ワシントン州ケニウィックで2007年からスクールバスの運転手を務めるジョン・ランスフォードさん(52歳)はある日、いつものように登校する児童たちをスクールバスで迎えに行った。

すると1人の男子児童(6歳)が泣きながらバスに乗って来た。その子の耳や手は真っ赤になっており、「手袋と帽子がないから寒かった」と訴えたという。ジョンさんは自分の仕事用の手袋をその児童の手にはめてあげ、「もう大丈夫だよ」と慰めた。

その後、児童たちを学校へ送ったジョンさんは近くの1ドルショップへ向かい、黒とピンクの手袋と帽子をそれぞれ10ペアずつ購入した。そして学校へ戻り、受付に事情を話した。

手袋と帽子がなかった男子児童の名前を知らなかったジョンさんは、受付スタッフにその子を探してもらって帽子と手袋のセットをプレゼントした。さらに彼は、普段送り迎えをしている子たちにも「必要であれば手袋や帽子をプレゼントするから遠慮せずに申し出てほしい」と伝えたのだ。そんなジョンさんが見せた優しい心遣いに学校側はいたく感動し、Facebookにジョンさんの写真とともに投稿した。

ケニウィックの学校のFacebookに公開されたことで、ジョンさんのこの件は一気に広まった。

しかしジョンさんは「子供たちが健康でハッピーでいてくれることが一番」と言い、今回の出来事は注目を浴びたいためにしたわけでもなく、なぜここまで話題になるのかが理解できない様子だ。

米メディア『Today』が学校を通じて取材を申し込んだところ、「自分がしたことは大したことではない」とジョンさんはインタビューを拒否した。その代わり妻のデビさんが「夫が手袋をあげた男の子はその日たまたま忘れただけなのか、失くしてしまったのかはわからないけど、他の運転手だって子供たちのことを気にかけていればそれぐらいしていると思います」とFacebookに綴り、その子の親が育児放棄していたわけではないと説明している。

「誰もがする些細な親切を夫はしたまで」というデビさんだが、ジョンさんの行いがここまで拡散されるということは、世の中がこうした心温まる出来事を常に求めているからではないだろうか。「大人が子供を気にかけるのは当然の行為。私自身にも孫がいるからね」と話すジョンさんの思いやりは、男子児童に渡した手袋と帽子からも十分伝わっているに違いない。

出典:https://www.facebook.com/KennewickSchoolDistrict
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)