民進党蓮舫代表(「アフロ」より)

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 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

「カジノを含む統合型リゾートを解禁する法案」(IR推進法案)が、12月14日の審議から日付をまたいで15日未明に成立しました。政府は、これからカジノの規制やギャンブル依存症対策などの具体的な制度を検討することとなります。

 IR推進法案について、世間では「カジノ法案」という略称が定着してしまいましたが、IR(Integrated Resort)とは「総合型リゾート」という意味です。

 法律の主旨としては、「複合観光集客施設」の建設がメインで、そこにカジノも入れるということです。国際会議場・展示施設のほか、ホテル、商業施設(ショッピングモール)、レストラン、劇場・映画館、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設などが一体になった施設をつくり、地方自治体の申請を通じて、そこにカジノの併設が認められます。

 この法案については、ギャンブル依存症などを指摘する反対派も多く、「一枚岩」といわれた公明党をも賛成派と反対派に事実上、二分したことでも注目されました。

 そして審議では、野党の反対派によるパフォーマンスで多大な時間が消費され、永田町は大混乱の渦に巻き込まれました。議員や大臣はもちろん、衆参両院の職員、関係省庁の官僚、マスメディア関係者、もちろん秘書も振り回されてクタクタです。

 そして、3日間の会期の再延長も決定されました。事実上は14日で閉会ですが、法案成立が15日になりそうだったので、慌てて延長したのです。

 臨時国会は2回まで延長できるのですが、実際には再延長はほとんどありません。今回はすでに「11月30日」から「12月14日」に延長されていたので、前回の2007年9月以来9年ぶりの再延長となりました。

●民進党に再び危機到来?

 法案自体は以前から提出されていたのですが、見切り発車というか、ずいぶん早い成立でした。

 これには25年の大阪万博開催を強く推し進めている自民党の二階俊博幹事長が、大阪府の松井一郎知事に配慮して法案成立を急ぎ、大阪への万博誘致の後押しをしたという事情がありました。

 それにしても、この法案成立で民進党の人気がまた下がりそうです。そもそもIR推進法案は議員立法であり、法案提案者のなかには民進党議員もいたにもかかわらず、それを蓮舫代表が批判するというのは、“オウンゴール”のような失態です。真剣に法案に反対するのであれば、まずは身内の議員を説得し、提案を辞退させるべきでしょう。

 民進党は、残念な国会議員ばかり前面に出ているように感じます。有能な議員も多くいるのに、もったいない限りです。優秀な議員たちに、もっとのびのびと政策を実行させてほしいと思います。

 たとえば、衆議院には米国のトランプ次期政権メンバーの候補者とパイプを持っている長島昭久議員、国民の痛みについて的を射た質問をする寺田学議員、泉健太議員などは精力的に活動されています。

 民進党は野党第1党なのですから、国民の理解を得て広く認められるようにならなければ、自民党の一人勝ち状態が続くでしょう。今のような自民党独裁政権では、決して暮らしやすい世の中にはなりません。自分たちのことより国民のことをもっと考えてほしいです。

 そして、民進党の評判をさらに悪くしかねない疑惑が浮上してきました。

 昨年8月、武藤貴也衆議院議員(元自民党)が、知人に「値上がりが確実な新規公開株を国会議員枠で買える」などと持ちかけて、金銭トラブルを起こしていたことが「週刊文春」(文藝春秋)に報じられましたが、なんと民進党政策調査会長も務めた某ベテラン議員の政策秘書が、同じような手法で詐欺を働いているとの疑惑が持ち上がったのです。

 この政策秘書は、議員の肩書で相手を信用させ、「年利48パーセント」というあり得ない金利を持ちかけて、かなりの金額を集めたようです。

 しかし、そんなうまい話はあるわけもなく、多くの被害者から弁済を求められ、逃げ回っているようです。大手週刊誌でこのことが明るみになるのも近いでしょう。

 そうすれば、また民進党の人気はガタ落ちすることでしょう。

 一部報道では、安倍晋三首相が1月の衆議院解散は見送ったともいわれていますが、民進党の勢力が弱まったとみれば解散総選挙も「現実味」を帯びてきます。そうなれば、また秘書たちにとっては落ち着いてお正月も過ごせないブラックな環境が続くことになるわけで、考えただけでため息が出てしまいます。
(文=神澤志万/国会議員秘書)