トランプ次期大統領の法人税改革によって、多国籍企業が海外にため込んでいる利益を米国に還流することはできるだろうか

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トランプ新大統領が掲げる
「還流税制」と「仕向地課税法人税」

 トランプ米次期大統領の目指す法人税改革については、法案作成権限を持つ議会(共和党)とのすり合わせが進んできたことに連れ、その概要が少しずつ判明してきている。

 トランプ次期大統領は、現行35%の法人税を15%まで下げると公言している一方、IT多国籍企業などが海外にため込んでいる利益を米国に還流させることを狙った法人税改革をテーマに掲げている。

 そこでここでは、法人税制の最も興味深い2つの改正案、つまり低税率国に留保されている米国多国籍企業の利益への課税と、法人税の仕向地課税への変更について、現段階で得られた情報を基にその概要とともに実行可能性を探ってみたい。

 前回(第125回)で、米国企業がタックスヘイブンや低税率国にためている膨大な利益をどのように還流させるのかについて、共和党とトランプ側で協議が行われているとして、以下の2点(要旨)を述べた。

「わが国を含む多くの先進国は、国外所得免除方式をとっており、子会社が海外で稼ぎその国で税を支払えば、配当としてわが国に還流させても非課税としている。一方米国は、全世界所得課税方式をとっており、海外での税引き後利益を配当として米国に還流させると、米国税率との差額を追加的に米国で課税される。このため企業は、米国に還流せず海外の低税率国・タックスヘイブンに利益を留保するという行動に出る」

「共和党は従来から、上記の企業行動を改めさせるべく全世界課税方式から海外所得免除方式への転換を提言してきたが、民主党・オバマ政権に阻まれてきた。一方トランプ案は、海外に留保している利益をそのままで課税することを考えている。双方が合意すれば、全世界課税方式を改めるとともに、海外に留保された巨額の利益が米国内に還流されることになる。これは米国経済にとっては、きわめて大きなプラスだ」

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