大西信満(左)と渋川清彦

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 国内外で高い評価を得ている奥田庸介監督の最新作「ろくでなし」が完成し、2017年春に公開されることが決定した。

 奥田監督は、大森南朋主演「東京プレイボーイクラブ」(11)で商業映画デビューを果たしたが、自らの美学を曲げるくらいなら映画を撮らないという主張で、しばらくくすぶっていた。だが、前作「クズとブスとゲス」はクラウドファンディングで資金を集め、主演も務めて自分のやりたいことを貫き、表現してみせた。

 そして、そんな奥田監督に目を付けた実践映画塾「シネマインパクト」を主宰する山本政志監督が、「シネマインパクト2016」への参加を打診。快諾した奥田監督だけでなく、山本監督作「水の声を聞く」(14)のプロデューサーで、11月に死去した荒戸源次郎さんの薫陶を受けた村岡伸一郎プロデューサーが加わり、ワークショップの枠を超えた映画として製作された。作品は、都会の喧騒に隠れて生きる人間の孤独と欲望を描いたオリジナルストーリーだ。

 主人公・一真という凶暴でありながら純粋で不器用な男を演じるのは、荒戸さんが監督した「赤目四十八瀧心中未遂」(03)で主演デビューし、故若松孝二監督「キャラピラー」(10)や大森立嗣監督「さよなら渓谷」(13)などの作品で高い評価を得ている大西信満。さらに、一真が渋谷の街で出会うヒロイン・優子をオーディションで大抜擢された遠藤祐美、ヤクザのひろしを渋川清彦、ひろしと交際する女子高生を上原実矩が演じたほか、ベテラン俳優の大和田獏が共演している。

 奥田監督は今夏の撮影間に「今、手にした、やっと手にしたこのチャンスは絶対に無駄にしない。私がこのたび撮る映画は裏社会で生きている人間たちの話です。様々な登場人物たちが心の闇や虚しさ、孤独を抱えて生きています。その群像の中で立体的にリアルに『人間』を炙り出すのです。クリエイティブな領域は聖域です。今回の映画製作はそんな事も知らずに土足で踏み込んで来ている金や権力の亡者たちを追い出す闘いでもあります。覚悟をもって、全てを賭けて作らせて頂きたいと思います」と意気込みを語る。

 なお、一般から資金調達を募るクラウドファンディングのプラットフォーム「MotionGallery」で全国公開と海外映画祭出品のための支援を募っている(http://eiga.com/official/motion-gallery/)。