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2016年7月、三重県志摩市の賢島に、ひらまつ初のホテルとなる「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島」が誕生した。1982年の「ひらまつ亭」の開業以来、レストラン事業やウエディング事業を中心に運営し、現在は、国内外にフランス、イタリア料理などのレストランを30店以上展開している「ひらまつ」。レストランを利用した人はもちろん、友人のウエディングで足を運んだことのある人も多いだろう。名実ともに日本の高級外食産業を牽引する存在だ。

ひらまつが満を持して開業した、
至高のスモールラグジュアリー"滞在するレストラン"


そのひらまつがホテル事業に着手。「ヨーロッパの旅館」をコンセプトに、「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS(ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ)」を立ち上げた。ひらまつがレストラン事業で培ってきた質の高い料理、ホスピタリティをホテル事業に最大限に生かし、「滞在するレストラン」を体現する。日本旅館のくつろぎともてなしが体感できる空間で、高級フランス料理が食べられる宿泊施設といえば、分かりやすいかもしれない。

「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 」は、第一章となる賢島に続き、第二章として熱海に、そして第三章は箱根・仙石原とオープンが続く。怒涛の勢いでホテル3軒をオープンさせ、さらに2018年夏には沖縄県宜野湾市にも開業を予定している。「あのひらまつがいったいどんなホテルを作ったのだろうか。」美食家はもちろん、ホテル業界の関係者からも熱い視線が注がれている。紛れもなく、今最も行きたい注目リゾートのひとつと言えよう。verita編集部はいち早く、「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島」を訪れた。

「ひらまつ ホテルズ アンド リゾーツ 賢島」が位置するのは、三重県の伊勢志摩。伊勢神宮や温泉、新鮮な海の幸や風光明媚な景色など、魅力あふれる観光地だ。ホテル業界への本格参入にあたり、会長の平松博利氏は自らこの地を訪れ、地の食材を使った至高のおもてなしをしたいと開業を決めたという。

(写真)ラウンジテラス。

ホテルは、近鉄電車で名古屋から約2時間、大阪難波から約2時間半の賢島駅から車で約5分の場所に位置する。2016年の伊勢志摩サミットで話題となった賢島は、周囲を穏やかな湾に囲まれ、ホテルのほど近くには大きなゴルフ場も! ゴルフと合わせてじっくり滞在するのもいいし、ノスタルジックな商店街の散策も楽しそうだ。
車に乗って間もなくすると、ファザードで建物を囲った斬新な建物が見えてきた。恵比寿ガーデンプレイスのバカラのシャンデリアの製作、香港の「Wホテル」を手がけるなど、国内外で活躍するインテリアデザイナー・森田恭通氏によるインテリアデザインは、斬新でありながらも、賢島の風景にすっと溶け込んでいる。

チェックイン時のウェルカムドリンクは、フランスの「アラン・ミリア」のジュース。古い友人の邸宅をたずねたかのような上質でありながらあたたかみのあるロビーでいただく濃厚な果実味のジュースは格別で、これから始まる滞在への期待が高まってくる。天気が良ければ、英虞湾を一望できるラウンジテラスでいただくのもおすすめだ。

客室は全8室。本棟と別棟にわかれ、別棟の4室は御影石で作られた温泉風呂が付きとなっている。もともとは民間企業が保養所として使っていた建物をリニューアル、さらに、一部、新築した。新築した別棟はもちろん、リニューアルした本棟もすっかりひらまつの色を醸し出していているのはさすがだ。

部屋に入って間もなく運ばれてくるのが、フルーツとのマリアージュが楽しい、3種のチョコレート。もちろん自家製だ。ゴージャスな夕食が控えているので、控えめにしておこうと思いながらも、手を出すと止まらない。客室はそれぞれ広さ、趣きが異なるが、客室のドアをあけると正面に英虞湾が一望できるデザインは全室踏襲。インテリアは、上質で使い勝手のいい「最高級」のものを取り揃えた。家具は大塚家具と業務提携。大塚家具の技術、ネットワークを通じ、本革のソファやイギリス製のベッドなど、コンセプトに合った、家具や調度品を仕入れたり、特注したりしている。また、館内の随所には、東山魁夷や草間彌生の作品がさりげなく配され、小さいけれど、贅沢な「アート散策」さえ、楽しめてしまうのだ。

(写真)左上:別棟客室。 左下:貸切露天風呂。

(写真上)左:ウェルカムスイーツ。 右:フレッシュで濃厚な果実味あふれる「アラン・ミリア」のジュース。

本棟に宿泊のゲストには、露天貸切風呂を用意している。チェックイン時に、客室ごとに、好きな利用時間(1回50分間)を予約するシステムとなっている。朝晩異なる表情が楽しめるのがうれしい。真珠いかだが浮かぶ英虞湾を眼下に眺めながらの朝風呂は至福の時間だ。なお、バスアメニティは、フランスの自然派スキンケアブランド「オムニサンス」、ローションや乳液などの化粧品は、地元の「ミキモト」のものを使っている。こちらもパリと三重県の素敵なコラボを実現している。

フランス発祥の海洋療法「タラソテラピー」で癒される。

また、全8室の小さなホテルながら、伊勢志摩ならではの「タラソテラピー」が受けられるスパも併設。スパには深さの異なる2つの海水プールがあり、トリートメントの前にはこちらでウォームアップを行い、スチームサウナで体を温めた後、トリートメントという流れになる。海を望む海水プールをひとり占めできるのは最高の贅沢だ。鳥羽二見の天然塩にオレンジピール、エッセンシャルオイルなど、自分でブレンドしたスクラブで体を洗うことができるサウナでの時間も楽しい。今やタラソセラピーは日本でもさまざまなところで体験できるようになったが、「世界で一番小さなタラソスパ」を標榜するこちらのスパでは、ひときわパーソナルな、特別な時間を過ごすことができる。

>>美食逗留 ひらまつが極めたホテル| 第一章 伊勢 賢島 後編へ続く。

ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島
三重県志摩市阿児町鵜方3618-52
交通アクセス:賢島駅まで、近鉄名古屋駅から近鉄特急で約2時間10分、大阪難波駅から近鉄特急で約2時間40分 最寄り駅「賢島駅」より送迎の用意あり
Tel:0599-65-7001
客室数:8室