米・女子体操界大揺れ、未成年選手への性的虐待問題で(出典:http://www.nola.com)

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今年8月に大きく報じられ、その後も様々な調査が行われていた米・女子体操界における未成年性的虐待問題。オリンピックに出場したければ選手たちは権力を持った男たちに抱かれなければならないのか。幼い娘が五輪を夢みて体操教室に通っているという家庭からも不安の声が漏れているようだ。

体操が大変な人気を誇るアメリカ。現在も米国体操連盟(United States of America Gymnastics 以下USAG)には12万1000人以上の選手と約3000か所のジムが登録されている。そんななかで未来のスター選手を夢見る少女たちの体を盗撮し、わいせつな行為を強要したとして次々と逮捕者を出していたUSAGの関係者たち。8月の報道に続き、このたびも組織ぐるみの腐敗しきった体質をすっぱ抜いたのは『インディアナポリス・スター(indystar.com)』紙であった。

9か月にわたる調査の結果、性的虐待の被害に遭った選手は過去20年で少なくとも386人もいることが判明。未成年者性的虐待の疑いがもたれている者の数は、指導者をはじめUSAGの権力者や医師、ジムのオーナーまでなんと54名。五輪をはじめ大きな競技大会に出場したければ「その見返りに」と枕営業を強要されるような例では被害者が名乗りをあげないため、その数は氷山の一角である可能性が高い。

この組織の問題がクローズアップされたのは、ウィリアム・マケイブという指導者が2006年に連邦裁判所で裁かれ、懲役30年の実刑判決を受けたことに端を発する。

マケイブは、1996年からコーチとして指導を始めたものの次々に問題を起こして職場を転々としたが、ジョージア州のジムで教え子にポルノ映像を送ったことが発覚、FBIが調査に入り逮捕された。しかしUSAGは1998年からマケイブの怪しい動きを把握していながら放置。「虚偽の被害届であればコーチングに支障をきたす。被害者本人やその親からの直訴でない限り、疑わしいという相談程度の話はすべて却下」という方針の彼らは、ベテランのマケイブを警察に突き出すことは一切考えなかったという。

また1980年代初めに少女への性的虐待を行ったとの被害報告がなされながら、その後も20年以上コーチを務めていたダグ・ボガーの例もある。調査中でありながら2009年にはナショナルチームのコーチに選ばれ、世界選手権に同行。嫌疑がクロと判明するとUSAGは2011年にボガーの競技への参加を禁止した。それまでの日々について被害に遭っていた女性たちは、「私たちが大げさに訴えているとでも思っているのか、いくら助けを求めてもUSAGは無関心な態度だった」と憤りを示している。

USAGが強いイニシアチブで少女たちに威圧的な態度を見せる理由は、五輪強化選手を選ぶ実権を彼らが握っているから。性的関係を強要されたなどと世間を騒がせる選手に五輪行きのキップが与えられることはまずない。同メディアの記者たちは12件以上の事例についてUSAGへ直接インタビューを求めたが、「返事が来ないばかりか、来たところで内容には失望するばかりだ」と未だ変わらぬその姿勢を批判している。

出典:http://www.nola.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)