レストラン店頭にはコートなど防寒着がズラリ(出典:http://www.fox4news.com)

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12月に入ると急激に気温が下がり、寒い日が続く米テキサス州北部。そのダラスには、温かい食べ物以外に人々の心と体まで温めてくれるメキシカンレストランがある。店頭にはたくさんのコートなどの防寒着がハンガーにかけられてあり、店に尋ねることもなく誰でも自由に羽織ったり持って帰っても良いのだ。

ダラス北西部のダウンタウン、アービング・ブルーバード(Irving Blvd)にあるメキシカンレストラン「Taco Stop(タコ・ストップ)」のオーナー、エミリア・フローレスさんはメキシコに滞在していた時にその光景を見てインスパイアされた。エミリアさんはダラスに戻って、自分も同じようにコートなどの防寒服を店頭のハンガーにかけ「寒ければどうぞ着てください。もしあなたが誰かを助けたいならどうぞコートを置いて行ってください」というメッセージを掲げた。これが昨年から好評となり、コートを寄付してくれる人も少なくないそうだ。

凍える寒さを耐えなければならないホームレスの人たちへ「自由に持って行って」と呼びかけることは、どれほど彼らの心に染み入ることだろうか。「わざわざ尋ねなくても、気に入ったのなら黙って着て行ってくれればいい」というシステムは、ホームレスたちのプライドを尊重した素敵な取り組みだ。

トーマスさんとジャッキー・ブルーアーさん夫妻は、テキサス州中部にあるリチャードソンから車でこのレストランへ防寒着の寄付にやって来た。ジャッキーさんは「今日は私の誕生日なの。誰かのために何かをしたいって思ったから」と言い、着なくなったコートを店頭のハンガーにかけた。元海軍に所属していたトーマスさんは、当時着ていた海軍のレーベル付きのトレンチコートとほとんど手を通していないというコートを寄付している。

また、同じようにコートを寄付したシャロン・キノンズさんも「(コートが)必要な人たちにこのような方法で与えるというのはとてもいいアイデアだと思う」とオーナーのエミリアさんを称賛した。

エミリアさんは精神科医として20年働いた経験を持つ。ホームレスの人たちだけに限らず、低所得の人々、運に見放されて落ち込んでいる人たちへの親切を常に忘れない。

実は昨年、大量にハンガーにかけてあった衣服が盗まれてしまったという。それでも再び防寒着を寄付してくれる人が集まったおかげで、今もこのシステムが続いているそうだ。

「小さな行為が大きな変化へと繋がるのです。特に今年は世界中が分裂してしまったような1年でした。でもほんのちょっとした親切で、生活に苦しむ人々を少しでも助けることができるのではないかと気付いてもらいたい」とエミリアさんは話す。

そんなエミリアさんの「Taco Stop」では、豚肉を煮込んで細切りにしたカーニタスやプライムリブも人気だが、何よりこの親切が一番の売りのようだ。

出典:http://www.fox4news.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)